観てきた。新青年館初めて!某会でお取次頂いたらチケット封筒が可愛かった。持ってる人多かったから、下級生は統一カラーなのかな〜。
しばらく本公演以外には行って無かったんですが、例のショーヴランで恋に落ちてしまったまこっちゃんこと礼真琴さんの主演舞台は観なければと這って行きました。ちょうかっこうよかったです!!
蝦夷の群舞とか、全体的に土着的な重心低めの振付が多くて、まこっちゃんの魅力が活かされていた…。正統派ヒーローのまこっちゃんを見るのとか何年振りだろうか…はー格好良い…。純粋に誰が見ても惚れる男だったと思う。
そして脚本が良かった!原作は未読だけど、新感線のアテルイとシネマ歌舞伎の阿弖流爲は見ていたので関係性などはわかっていたけど、あの時代背景を知らない人にもわかりやすくまとまっていたのではないかと思う。特に映像演出で役の名前を出してくれたのがわかりやすかったなー。音から漢字が想像できない名前が多いから、あれですっと世界観に入れたかも。風景の映像も、最初はなんだこの安っぽい加工は…と思っていたけど、途中から全く気にならなくなった。大劇場でやられていたらくどいと思うけど、舞台のサイズに合ってたな。あとラストまで見て、舞台装置の予算はまるっとあの桜に割いたんだろうなとわかって納得。あの桜が舞台上にある間中ずっと泣いてたよ…花びら散らすのずるい…。
新感線でも歌舞伎でも思ったけど、都でのアテルイと坂上田村麻呂の口上が大好きだ。お互いに名乗りを上げて次に都で相見える時は…って別れるやつ、めちゃくちゃ滾る。好き。あの一瞬の邂逅がお互いにずっと記憶に残っていて、敵味方だけど誰よりも認め合う男になるわけだよね。はい好物です。死ぬ時ももちろん部族のためという気持ちが一番だけど、命を預けるならこの男に…という意識があったわけでしょ。田村麻呂もまた然りでしょ。はい好物です!!
蝦夷の男たちの関係性もとても良かった。人が多いけど全員がそれぞれこういうキャラクターだとちゃんとわかる場面があって。特に母礼とのラストがいいなあ、と思っていたら組み替え前の公演だったのね…そりゃファンは泣いてしまうわ。
壱城あずささんの鮮麻呂も、複雑な心情描写が素晴らしかった…鬼だ鬼だの場面でも泣いたよ。あの場面もすきです。ああいう、善良な民衆の悪意が充満して、悪を糾弾する歌詞が皮肉になってる(鬼はどっちだ、みたいな)歌詞がベタだけど好き。
男の熱い友情、主従関係がメインのストーリーの中でヒロインの佳奈ちゃんもしっかり存在感があって良かった。未亡人という設定に加え、戦場にいくあなたを待ってます、というヒロイン像じゃないのが良かった。最初から結末がわかっているのにラストも泣いたよ。。
そう、全体としてストーリーは完全に知っていた通りだったのに、2幕は普通にがんがん泣いてしまったんですよね。脚本にやられた。ベタベタだけど都に発つアテルイを前に「蝦夷は強い!」とみんなが口々に叫ぶところでは号泣。これは、東北への応援歌だよなあ…。ことちゃんは萩の月もやってたし、縁が深いですね。
そして最近観てないから名前を知らない方が多いなあと思ったら本当に下級生の多い公演だったようで。これは、下級生にとってかなり成長できる作品だろうなあと思いました。全員に役がある?よね。それぞれに見せ場もあるし、ファンがつくきっかけになりそう…。
ところで、今まで朝廷サイド・蝦夷サイドどちら視点でも坂上田村麻呂を悪いように描いてる小説や脚本を見たことないんだけど、どれだけの人格者だったんでしょうね。あいつマジ良い奴!!って口コミが現代まで続いてるのすごいな…。
私にとっての田村麻呂の原典、薄紅天女を読み直さねばと思いました。あとしばらく星組通う気がします…。