ひとりディオール展を鑑賞した日のこと

スポンサーリンク

土曜日、「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展」を見るため東京都現代美術館に。

f:id:oukakreuz:20230312210556j:image

開催前からずっと楽しみにしていた展示なのに週末の予約がなかなか取れず、3月分チケットの発売開始5分前からPC前にスタンバイしてなんとか購入できた。ゆっくり見たかったので娘は夫に預け、1日お暇をいただく。

すばらしい展示だった。ファッションに造詣の深くない自分が言えることは少ないのだけど、ただただ圧倒的な美しさを浴びて、眼福とはこのこと。見ながらずっと「きれい…」「かわいい…」の声が漏れていた。デザイナーによってここまで異なるカラーを出せるブランドとしての懐の深さ、それでもDiorという一本の軸、受け継がれている型を感じて、すごいメゾンだなあとしみじみ感じた。

撮影自由だったので、そして図録はあまり詳細に載っていないと前情報を聞いていたので、ここぞとばかりに気になった作品(服なのだけど、作品と呼ぶのがふさわしい)は撮影させて頂いた。

ものすごーーく好みだった1着。どのドレスもとっても素敵なのだけど、このコートは欲しい…!!全方位にかわいい。特に好き!可愛い!!と思ったものを並べてみるとガリアーノかキウリのデザインのものが多くて、自分の好みの方向性が見えて面白い。

映像も見応えがあり(2020-21年秋冬オートクチュールコレクションのフィルムの世界観が大好きで、大画面で見られて幸せだった。あとジャドールのCMは95年くらいのものも見覚えがあり、長く記憶に残っているものだなあと驚く)各階行ったり来たりしていたら、11時の回で入ったのに展示室を出たら14時になっていた。やはり1人で来て正解だったな…。

東京都現代美術館の建物の感じも好みで、お腹が空いているのについ中庭や地下をうろうろ。良いお天気で散歩日和。

遅くとも13時には見終わるだろうと予想して昼はお寿司屋さんで食べるつもりだったのだけど、当然ランチタイムは終わっていたので、昨夜Googleマップでピンを立てていたカフェに入る。

f:id:oukakreuz:20230312223129j:image

ケーキセットなどの他に「おにぎりセット」があるのが気になっていたのだった。具が選べるおにぎり2つ(鮭と昆布にした)とスープで600円。かなりお腹が空いていたので「小おかず(80円)」の内容を伺うと、胡桃とあさりの佃煮、きくらげと胡瓜の和え物、きんぴらとのことだったので3種盛り(200円)にしていただく。トータル800円。なんて良心的!

清澄白河に来ること自体が初めてだったので、最近ずっとお店を検索していた。Google マップ、インスタのタグ検索、清澄白河特集の雑誌も読んで、カフェやランチのできる飲食店、古着屋、雑貨店など門前仲町のあたりまで3-40店にピンを立てている。今日行ける場所などせいぜい2,3店だろうし次に来るのがいつかもわからないのに、もはや病気だなと思う。私はストレングスファインダーで「収集心」が上位なのだけど、生き方のコツとして「集めた情報を定期的にアウトプットすべし」とアドバイスを受けたことがあり、そうしないと新たに情報を入れる隙間がなくなりストレスが溜まってしまうらしい。ものすごく納得できる。行きたい店リスト、食べたいもの、読みたい本、また実際に行ったそれらの感想などが、自身の中だけにあると新しいものに意識を向けられずモヤモヤする。例えばお芝居でも感想をばーっと吐き出さないと次のお芝居のインプットができないので、マチソワで違う作品を観たりすることが難しい。私にとってはブログやSNSで吐き出すことがストレス発散になっているのだよなあ。

食後のお茶をしている間、夫から娘の写真がぴこんぴこんとLINEで届く。2人は今日、少し離れた駅の公園に行き動物とふれあったりボートに乗ったりお茶をしたりしているらしい。私は展示の感想を送る。「本当に良い展示だった!胸がいっぱい!これとかこれが好みだった。私よりあなたの方が見た方が良いよ、平日行きなよ。」

f:id:oukakreuz:20230312223236j:image

夫と交際してすぐの頃、2014年の冬に銀座で開催されていた「エスプリ ディオール展」に2人で行った。今回のものとは全然規模の違う、無料で見られる展示だったけど、並んだドレスはエレガンスの極みという感じでうっとりした。私はそこからディオールやデザイナーに興味を持って、彼らを題材とした映画を何本か見たものだった。

当時の私はこういったメゾンの服というのはレッドカーペットの上を歩く人が着るもので労働階級の人間とは縁がないものだと思っていたので、夫が着ていたダッフルコートを「そのコートめっちゃ可愛いね、レディースサイズがあったら欲しいくらい」と褒めたらディオールオムのものだと知ってのけぞった。

夫は今でこそ美大の学祭で買った1000円の謎キャラクター柄Tシャツを日替わりで着て出社している30代男性だが、10-20代の頃はシュッとしたおしゃれさんだった。大学で本州に出てきた頃に服を好きになり、もやし生活をしてバイト代を貯め、あれこれ買ったり売ったり(偏愛するブランドの店員バイトまでしていた)失敗したりして軌道修正してきたらしい。私が「ディオールで服買う人がいるなんてびっくりした。高くてもバッグとか財布とかを買うブランドだと思ってたよ」と言うと「革から始まったブランドならそうするかもしれないけど…」と言われ、メゾンの歴史を知って買う、という考え方を学んだ。彼が大学生の頃に買ったディオールやルメールのコートは30代半ばとなった最近もお直しをして着ているし、今見てもとっても可愛い。さすがに体型がかなり変わったためもう着られないものも多いらしいが、彼のワードローブの服たちはデザイン自体は全く流行り廃りを感じさせず、そしてこの10年滅多に服を買っていないところを見ると、まさしく「良いものを買って長く使う」をしているのだなあ、と思う。

服に関しては「その場で浮かないものを、できるだけ安く」の精神で生きてきた自分にはなかなか衝撃で、今もさすがにハイメゾンの服に投資する勇気は持てないものの、「安物買いの銭失いはしたくないな」とか「流行はスパイス的に取り入れつつ、自分の軸になるスタイルを質の良いもので固めたいな」という考え方にシフトしてきたのは夫の影響が大きいと感じる。あと服を買う前に試着写真を送って相談すると、忌憚なき意見(「その色無難だけど、おばあちゃんになっても着れる色じゃない?もっとあなたにだけ似合う色を着なよ」「その型でボーダーを選んだのはなんで?思考停止していない?」「あなたは好きそうだから買ってもいいと思うけど、たぶん来月3割引までは下がるよ」等)を送ってくれるので、たまに「それめちゃくちゃ似合う、絶対に買うべき」と言われるものを選んでいるうちに洗練されてきた…気がしなくもない。

f:id:oukakreuz:20230312223334j:image

カフェにはきっかり1時間ほど滞在した。おにぎりもおかずもほっこり美味しくて、良い時間だった。今回のディオール展はGINZASIXと提携しており、現代美術館から無料のシャトルバスが出ている。この展示を見たら本家を詣でたくなるのは当然なので、良いサービスだと思う。本当はこのバスに乗って銀ブラしようと思っていたのだけど、3時間立ちっぱなしの鑑賞は思いのほか身体にダメージを与えており、そしてオートクチュールの世界を見た後に生半可な既製服を買う気分にもなれず(この芸術品を手に入れるのにこのお値段はお得…!とうっかりとち狂ってしまいかねない)買い物は我慢しておくことにした。

帰りに夫と娘と合流し帰宅、早めに就寝。良い1日だった。

 

普通の日の日記

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com

www.oukakreuz.com