本もぐもぐ2022/5-7

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最近読んだ本や漫画の感想メモです。6月から急に家事もままならぬ感じに忙しくなり(ブログやツイートの出没頻度が下がっているのもそういうこと)、図書館で半年以上待ってやっと借りられた本を開くこともなく返却してしまってショックだった…夏は身辺を落ち着かせていろいろ読みたいな。。

小説

シソンから、

今のところ何を読んでも好みなチョン・セラン。今作も好き!女性への抑圧が今よりさらに強かった時代に海外移住して2回結婚して美術家・作家として活躍したシム・シソンの子どもと孫たちが祭祀(日本の●回忌のような法事)をハワイで行う…というお話。シソンのキャラクターや著作、名言が実在の人物のように作り込まれていて、その人間臭さが魅力的。シソンが男たちや社会から受けてきた仕打ち、娘や孫たちの抱える問題にはなかなか暗い話があるもののハワイのカラッとした空気や文化が良い緩衝材になっていて読みやすかった。ハワイ行きたくなる。

自転しながら公転する

友人に勧められて図書館で予約し1年越しくらいに借りて読めた。面白かった!!同じところをぐるぐるしているようで、少しずつ軌道がずれて人生が変化していっている。タイトルが秀逸。主人公が善人でも悪人でもなくて、「普通の女の恋愛における狡さや打算」を描くのが本当に上手いなー。20年後の娘目線からの母像というのが本人評価とずれているのもまたリアル。ベトナム料理屋やベトナム人が登場する作品なのでベトナム行きたくなった。

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鯖バインミー作って読みながら食べてた。

あのこは美人

ソウルで暮らす地方出身・あまり恵まれない育ちの女性たちのオムニバス。風俗でお金を貯めて整形して高級ルームサロン(キャバクラ的なもの?)で働き、収入は増えたが顔のメンテナンスや店への借金に悩まされ…みたいな話、最近日本でよく見かける話なので韓国もそうなんだなあ。。と思いながら読んでいた。もっとルッキズムに迫る話なのかなと思っていたけど読後感は悪くない。芸術家ミホの解放が好きだったので続編に出てくるといいな。

スイートホーム

阪急不動産のサイトに連載されていたらしく、宝塚山手台が舞台となっていると聞いて読んでみた。阪急オアシス、梅田や西宮の職場、今津線の大学、千里の実家…と個人的に馴染みがありすぎる設定で楽しく読めたけど、キャラクターがあまりにもステレオタイプで読みながらつっこみたくなってしまう。そりゃPR小説だから悪人は出せないだろうけど、それにしても「美人だけど出会いがなくて奥手なアラサー女性」の解像度が低すぎるというか…一例を挙げると『自分が勤務する雑貨店に何度か来た男性客(名前も知らない)に告白するために手作りのケーキを焼いて店に持参する(しかもクリスマス)が、男が現れず落ち込む』というエピソードとか、いや、フィクションでもあり得ないでしょ…!と思ってしまって没入できなかった。何冊かしか読んでいないけど原田マハはキャラクターの話し方とかもあんまり合わないな…。

TRIP TRAP トリップ・トラップ

前回の本もぐで「金原ひとみ、合うのと合わないのの振れ幅が激しいかも」と書いたら何人かの方がマシュマロでおすすめの金原ひとみを送って下さいました。おすすめ率が高かった、旅テーマのこちらの短編集を読んでみたら大当たりでめっちゃ好きな金原ひとみだった!わーい。ありがとうございます。こういう交流がしたくてブログ/SNSをやっているんだ私は。

前半はすれた家出少女の「日常からの脱出」という感じの旅で、途中からいきなりパリとか島とか行き出してセレブな感じの旅になって主人公が同一人物であることにびっくりするのだけど、だんだんと作者の私小説っぽい感じなのかなとわかってくるのが面白い。特に子連れ旅と、出産後の自身の変化について書かれたくだりはあまりに共感だったのでエッセイも読みたくなりました。

図録

ファッションショー招待状図鑑 ファッション史に残る300のショーの物語

夫が図書館で借りていたのを読んだ。名だたるメゾンたちのファッションショーの招待状の写真+そのストーリーが書かれているのだけど、めちゃくちゃ面白かったのでファッション好きな人みんなにおすすめしたい!!これも招待状なの?と思うような趣向を凝らしたアイテム、そのショーで後の●●を立ち上げるデザイナー誰々が鮮烈なデビューを果たしてこのロゴが伝説になって…みたいな歴史解説がすごく興味深かった。普通に購入して手元に置きたいくらいよかった。

漫画

キャラメルシナモンポップコーン

吉住渉が好きだーーという話をTwitterでしていたら吉住渉を語る会を開催することになり、それに向けて予習として最新作を履修しました。いやー大人向けに移行してからもずっと面白いな。すごい。地味に著作はほぼ全て読んでいて大好きなんですけど特に好きなのは「ハンサムな彼女」「君しかいらない」最近のだと「スパイシーピンク」「チェリッシュ」とかも好きです。

まじめな会社員

読みながら正直ずっとこの男のどこがいいんだ…!?何がしたいんだ…!?の連続だったけど、最後は初めてあみ子のことが好きになったな。しかし「普通の人でいいのに!」といい、ここまで人間の恥ずかしい自意識を掘り下げて描けるのはすごい。。

金魚妻

アプリでちまちま読んでた。ドラマは見てない。絵が綺麗です。いろんなエピソードがあるけど特に駝鳥妻が好き。不倫される側の男が大体クズなのでもやもやせず読めます。

後ハッピーマニア3

こっちはもやもやもだもだしながら読んでる。甘くないなー人生。アラカンになってもこんなことで悩んだりしなきゃいけないのか…うう。なんか2-30代の物語には「不倫浮気するならちゃんと本命と別れて筋を通せよ!」と思っていたが、4-50代になるともう「見えないところでうまいことやってくれ…その筋の通し方はきつい…」と思ってしまい、自分の魂の汚れを実感します。

ブルーピリオド12

食虫植物みたいな女が出てきよった…。才能というものと向き合ったことのない人生だけど、抉られますね。

女×女のうまくいかない恋愛エッセイ parlor

私、本当に本当に本当に藤生先生が大好きなんですよ…。作品も好きなんだけど、ツイッターやエッセイから見えるお人柄がめちゃくちゃ好きで大ファン。独身だったら普通に連絡先入れてファンレター送っちゃっていただろうなという感じですき。parlorも単話でずっと追っていたので書籍化めちゃめちゃ嬉しいのでした。みんな読んでほしい!好きになっちゃうから!

往生際の意味を知れ!5

ほんっとう〜〜にタイトルを叫びたくなる巻だった。往生際が悪すぎる。恋愛の当て馬にするために違う人間を使うな。最悪すぎる。「あげくの果てのカノン」もそうなのだけど、壮大なテーマやミステリーがある話なのに、人間の心理描写が見事すぎてそちらに気持ちが引っ張られていくのがすごい。1巻から某エッセイ漫画家を思い出すなあと思いながら読んでいたら実際にその方絡みの騒動があり、おお、と思った新刊タイミングだった。

 

7月はもう読書する時間なさそうだな、と思ったので先出ししてしまう。次も3ヶ月まとめてになるかも。夏は現実の問題に取り組んで、秋にはゆっくり本を読みたいよ〜。

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