本もぐもぐ2023/2-4

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最近読んだ本の感想メモです。図書館の予約順が重なり、一部「どれだけ母について考えたいねん」という感じのラインナップになってしまった。

小説

六人の嘘つきな大学生

面白かったー!「就職活動」って大なり小なり経歴を盛ったり、普段の自分とはかけ離れた好青年に変身して振る舞うのが当たり前なので、それを逆手に取ったアリバイや嘘が登場するのが新鮮だった。作者と歳が近いのもあって、就活中の空気感や企業の設定がリアルに感じられて楽しい。逆に日本の就活システムを知らない人が読んでもちんぷんかんぷんだろうな。スプラッタ描写が苦手すぎてミステリを避けて生きてきたのだけど、殺人事件が起きないミステリ小説をもっと読んでいきたいかも。

ウィステリアと三人の女たち

好きな読書ブロガーの方が「あのこは貴族」と対比した感想を書かれていたので気になって読んだ。川上作品は自分の好みに引っかかる振れ幅が大きい、と最近も書きましたが、これは独特のどろっとした読後感が好きな短編集だった。百貨店で毎日買い物をする女と同窓会に行く女の話が好き。

スタッフロール

「ベルリンは晴れているか」でも感じたけれど、深緑さんは本当にその世界に生きてきたかのような臨場感、空間の描写が上手いなあ。ストーリーとしては正直そこまで惹き込まれなかったけれど、ハリウッドの特殊造形の世界、CGの仕組み、それらの面から見た名作映画の凄さなどお仕事モノとしてとても面白かった。

母性

映画が気になって(戸田恵梨香が好きなんです)、怖いかもしれないから原作を読んでみようと手に取った。ちょっと驚く部分はありつつ物語にはそこまで大きなどんでん返しもなく、映画の方が面白いと思ったタイプかもしれない。(湊かなえ作品全般にそう感じがち)母と娘以上に、完璧な母性を持つ存在として出てくる祖母の内面の方が気になった。

ノンフィクション

母という呪縛 娘という牢獄

事件の発覚当時「医学部に9浪した娘が母親を殺害」というキーワードにかなり衝撃を受けて、発売から気になっていた。実際に起きた惨劇についてこの感想はどうかと思いつつ、ルポタージュとして非常におもしろく、よくできている本だと思った。娘の回想を主軸にしつつ、裁判の様子や時代や土地の背景、記者の冷静な視点が混ざる構成が上手い。この母親はどう見てもいきすぎなのだけど、一歩間違えたらこうなっていたかもしれない教育熱心な親というのはそこらじゅうにいるし(昔の同級生に、成績のことで親に怒られて骨を折っていた子がいた…その子は東大に入っていたので親にとってはむしろ成功体験になっているかもしれない)父親や祖母や恩師、周りの大人の行動が少しでも違えばこの結末は避けられたのでは…と誰もが感じるはずなので、「エキセントリックな事件のルポ」でなく「身近な人間が防げる事件」として警鐘を鳴らすことにも成功していると思う。

母親になって後悔してる

さすがに母性について考えるのしんどくなってきたタイミングで読んでしまい、さらにしんどくなった。これはずっと読みたいと思いつつ絶対に自宅の本棚に置いてはいけない、と思っていた本。思春期の自分が母親の本棚にこれを見つけたらショックを受けるだろうから。

予想していたよりも登場する女性たちに共感しなかった(おそらく、自分自身が母性が薄い女だと自覚して産むかどうかの検討にかなり時間をかけたからだと思う)ことに安心しつつ、むしろ「理由はないけど自分もいずれ産むんだろうな」と漠然と考えている若い女性にこそ読んでほしくなった。あと「我が子は愛おしいけど"母親"という役割は降りたい」と思うことに罪悪感を抱いている人は自分だけでないのだと安心できると思います。賛否両論の理由もわかるけど、女性は「産まなかった後悔」のことばかり取り上げられがちなので「産んだ後悔」のこと自体は(子どもが傷つかない範囲で)もっと語られてもいいと思うな。

漫画

女ともだち

はいこれも母と娘の話…。久々に再読。一条ゆかりが大大大好きで、面白くない作品はひとつもないと思っているんですけどこれも最高にテンポよくてキャラクターがみんな魅力的で面白いんだよな〜。いくらでも引き伸ばせそうなのにさくっと短期連載なのも潔い。作中の映画が面白そうなので普通に見たい。

カルバニア物語

新刊ペースが早めでうれしい!絵柄が可愛いのにいつも攻めてるんだよなあ。タニアちゃんの外遊が楽しみ。

隣の男はよく食べる

たしかこのブログでは2巻まで感想書いていた気がする。美波はるこの描く男は正直ワンパターンなのに一部の女性をぐっと掴む魅力を持っているよね…と言っていたのだが、ドラマ版の菊池風磨さんにまんまとやられて毎週転がっています。なんなのあれずるい。ということで新刊まで買ってにやにや読みました。

ウソ婚 rose

当て馬・悪役令嬢スピンオフ大好きなんですが、これも本編より断然好きなカップリングが生まれていた…レミ様かわいいよレミ様。ウソ婚はファンタジーな玉の輿モノでありつつ、出てくる成金設定はかなり芸が細かくリアルなところが好きです。(Roseのヒーローがバツイチなのとか納得しかない)取材力を感じる。

コウノドリ

ちまちまとアプリで読んでいたのを完走。妊娠中によく「旦那にコウノドリを読ませておけ」的なツイートを見かけていたのだけど、納得。私自身はさらに怖くなりそうだから出産後に読んでよかったです…。産婦人科医も助産師さんも神様だよ。。

JKハルは異世界で娼婦になった

これもアプリで読んでいて、途中から続きが気になって電子で買ってしまった。原作未読だけどコミカライズ単体でも楽しめたな。絵も綺麗。オチはちょっと、ここにきてそんなチート展開でいいの?と思ってしまったけど。その後があるなら原作も読もうかな。

 

最近あれこれとやりたいことが多くて読書に割ける時間が減っているのだけど、数ヶ月前の自分が予約した本が図書館から供給されるのでぜいぜい言いながら読んでいる。そういう意味でも図書館ありがたいです。(買って手元にあったら1年くらい積んでしまいそう)

最近の本もぐ

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