外出できるようになってから我ながらわかりやすく読書量が減っている…。最近読んだものたち〜。
・小説/エッセイ
傲慢と善良
婚活×ミステリな恋愛小説?なのか…?辻村さんは人間観察眼が鋭すぎて題材によってはぐさぐさやられてしまう。ちょうどTLで婚活系のエッセイ漫画が話題になっている頃に読んでいて、みんな個人の体験談にああだこうだ言わずにこっちを読んで抉られようぜ…と思ってツイートした。
最近読んだアラサー恋愛/婚活関連コンテンツ、辻村深月「傲慢と善良」が一番ぐう…となった。テーマは恋愛だけど親子関係と地方格差についてもぐさぐさきたな。ブラックな方の辻村作品だった。「皆さん謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです」https://t.co/63w2oM2Um8
— 桜花⛩ (@oukakreuz) 2020年7月30日
流浪の月
凪良さんのBL以外の作品を読むのは実は初めて。これが本屋大賞を獲るのかあ…とちょっと驚いた。というのも、題材的には結構危うい(一歩間違えると幸色のワンルームのような炎上をしかねない)話だったので。凪良さんの、どの立場の人に対しても優しい視点と表現が倫理的なバランスを崩さない小説にしているのかなと思う。DV彼氏に対してすら優しい。凪良さんは世間一般的な「普通」になれない人にいつも優しいな、と思う。
のっけから失礼します
愛読しているBAILAの連載が書籍化されたもの。昔から三浦しをんのエッセイが大好きなんだけど、オタクならではの熱量や視点というより(三浦先生とは萌えポイントがあまり被らないw)、日常の中のいくつかの出来事を切り取って繋げて重すぎないオチをつける形が読んでいて楽で、心地良いんだよなあ。実は昔からいつかこういう日記を書けたらいいなあ、と思っていて、友達で書評家の三宅香帆ちゃんに「桜花さんのブログがなんか雰囲気近いのわかる」と言ってもらえたのが嬉しかったりした。
・漫画
烏に単は似合わない
漫画版が全話無料配信をやっていたので初読。原作小説を読んだときはそこまでツボにはまらなかったのだけど、絵がとても繊細で美しいのと、あせび主観でないのも小説より分かりやすくて面白かったな。
WHITE NOTE PAD
ヤマシタトモコは昔ずっと読んでいて、とある作品でちょっとしんどいな…となって離れ、違国日記であ、いけるかもと思ってまた未読の作品を読んでいる。女子高生とおじさんの入れ替わり物。だけど入れ替わったドタバタは全くメインではなく、それぞれの人生、年齢や性を俯瞰している作りが面白い。
ダブル
お勧めされて全話公開時に読んだ。文句なしに面白い!!演劇物を久しぶりに読んだけどやはり圧倒的な画力がないと読者を説得できないので難しいよなと思う。各話が芝居タイトルになっていたり戯曲のセリフ引用が多かったりで楽しい。続きも楽しみ。
BEASTARS(20)
メロン…お前…!!この世界のハーフについては親のエゴについて考えさせられてしまうなあ。ルイ先輩がどんどん丸くなってて好き。困る。もうすぐ終わっちゃうんだなああ。。
1122(7)
楽しみにしていた最終巻、正直かなりもやもやしたというか、不完全燃焼。漫画としては面白かったのだけど、いちことおとやの決断には、うーん…。この7冊の紆余曲折は何だったのだろう。最初からいちこがもう少し大人になってさえいれば良かった話では…。結局、美月夫婦だけがしっかりと再構築に向けて成長できていて、そしてそれは突き詰めれば「子どもがいること」に起因していて、なんだかなあと思ってしまった。子がいなくても、不妊治療を諦めても、2人で思いやりを持って夫婦をやれる、という結末が見たかった。個人的な意見ですが。
往生際の意味を知れ!(2)
面白い〜〜〜!1巻の時点でもなかなかにキャラクターがぶっ飛んでいるなと思ったけど、2巻では主人公の知らない日和の内面が出てきてますます面白くなっている。そしてこんな話なのにちゃんと双方向に矢印が向いた恋愛物になっているところがさらにすごい。とにかく漫画がうまいのだなあ。続きが楽しみ。
きのう何食べた?(17)
実家のお隣さんの息子が高校生になっていることに冒頭から衝撃を受ける…。親の施設入所とか、アラフィフの人生がリアルだ…。今回も食べたいもの作りたいものがいっぱい。何食べは、新たに出会いから関係を築いたり荒波を乗り越える話ではないけど、「すでにある関係を穏やかに維持していくには双方の努力が必要であること」「生活の繰り返しの中にも相手に惚れ直す瞬間があること、そういう瞬間を重ねて生きていくこと」が丁寧に描かれていて、恋愛物としても実はとても好きです。人生だな、と思う。
最近の本もぐ
WEB連載漫画をいろいろ読んでいる