ミュージカル映画「トゥモロー・モーニング」を見てきまして、久々に全然ツボにハマらなかったな〜〜と思ったのでささっと感想を書いておく。いや好きだった人もこれから見る人もいるのにわざわざnot for meだった理由をつらつら書かなくてもいいとは思うんだけどたぶんもう見返すことはない映画なので数年後に記憶が薄れて「一回見たけどなんかつまんなかったよな」の印象で終わるより自分としては何がつまんなかったか記録しておきたいんだよな。特にミュージカル映画は日本で公開されたものはできるだけ全て見ようとしているので自分のデータベースとしてもメモしておきたい。ということで面白かった人やこれから見る予定の人は自衛してね。
ラミン・カリムルーもサマンサ・バークスも大好きなので、2人が主演の現代劇ということでかなり楽しみにして行ったんだけど。2人の歌声は期待通りに良かったし住んでいるフラットも素敵だった、けど、それ以外が全っ然刺さらなかったーーというか正直見ていて苦痛な時間も結構あった…。
そもそも元舞台を観たことがなく、「離婚前夜の夫婦が結婚前夜を思い出す」というあらすじだけでLast 5 Yearsのような話を想像していたんですけども。どういう理由で離婚に至ったのかもわからないし、ずっと喧嘩or葛藤していてストーリーの進展が無いのに結論は「子は鎹」みたいなオチでいいの?って感じだし…。そもそも5年(L5Y)ならまだしも一夜×2を交錯させるだけで映画一本作るのはなかなか難しい。見ながら「なぜこれを映画化したんだろう?元はどういう舞台だったんだろう??」というのがずっと気になっていた。
で、終わってすぐに調べたんだけど、これ元の舞台は「キャストが4人(離婚前と結婚前の夫婦×2組)いて、舞台の途中でそれぞれが同一人物だったとわかる」という構成なのね!!!なるほど!!!それは絶対その方が面白いし、映像化するにあたって同じキャストでやるしかなくて作品の肝が消えてしまったのか。めちゃくちゃ腑に落ちた。
離婚理由の核心がよくわからないのも、舞台で観ていたらきっと「決定的なことが無くても少しずつすれ違って修復できない(とお互いが思っている)状態にきてしまった夫婦なんだろうな」と勝手に想像して補完できる気がするんだけど、過去の思い出映像とかガンガン挟んでくる映像だと「じゃあ結婚生活中ももっと見せてよ!なんで拗れたのかわかんないよ!」と思ってしまう。ビルがいきなり拗ね始めたってことでいいのか…?それにしてもキャサリンもめちゃくちゃ感情的に怒るので見ていてしんどい。
そう、喧嘩が多い上に映像もひたすら顔アップで疲れてしまったのだった。2人の過去と現在は髭や服装、演技で変化を見せようと頑張っているとは思ったけど、なんせ顔アップの繋ぎが多いので混乱する。引きで撮るとか他の登場人物や景色を変えてくれたらいいのにそこも同じだし。コロナで密な撮影ができなかったらしいけど、それにしてもパーティ以外ではあまりにもエキストラが少なく、外ロケしているのに閉鎖的な印象を受けた…。これもやはり舞台では2人劇で「人がいなくて寂しい」と感じることはないし、映像化する際にはもっと見せ方を考えてほしい。。画面の分割も特に効果的には思えず好みではなかったなーー。
ストーリー自体はたぶん舞台版にもツッコミ所はあるんだろうけど、にしても映像ほど引っかからない気がするなー。キャサリンのアーティスト設定も舞台版は違うようで、変更した意味がよくわからない…。雑誌編集者の方が身近で会社員同士だからこそ才能の差を感じるのわかりそうだけどなあ。あと2人ともそんなに子どもを愛しているなら子どもの前で大喧嘩しないでくれ…息子が可哀想すぎて悲しかった。。より戻すのはいいけどちゃんと話し合って溝を埋めないと今後も息子が振り回されちゃうよ…。キャサリンの母・祖母はキャラ濃かったけど物語に与える影響がなくてなんで出てきたのかよくわからないし。あとどうでもいいがめっちゃ突っ込みたかった、結婚式に元彼を呼ぶのは普通なの?!笑
曲はいくつか好きなものがあり(あなたは愛の結晶と歌うやつと、キッチンの喧嘩曲好きだった)サントラは聴きたいな。あと2人とも左利きなんだなーというのが新たな発見でした。
うーん、しみじみ、これは映画化でなく舞台を映像化した方が良かったんじゃないか…な…。
ミュージカル映画の感想とか