9月に見たもの、読んだものの感想メモです。
ドラマ
虎に翼
ついに最終回!!朝ドラを完走したのは「まんぷく」以来です。
先月は「面白くないよ〜完走できるか不安だよ〜」とぼやいていたけれど、最後まで見るとやはりぐっとくるものがあった。というか想像していたより寅子ひとりの話ではなく女子部みんなの物語のようにまとめてくれていたのがよかったな。女子部のみんなはもちろんですが、個人的にとても好きになっていたのは裁判所のおじさんトリオ(ライアン、職場にいてほしいよー)と道男です。道男が梅子さんに「梅子さんはそこにいてくれるだけでいいんだよ」って言ってくれたのが泣きそうなくらい嬉しかった。道男がそんなことを言えるようになったんだね、というのと、家族に虐げられ続けていた梅子さんがそんなことを言ってもらえるようになったんだなあ、というのと。
逆に都合が良すぎないか…?と感じてしまったのは優未と轟。スーパーウーマンである寅子の物語の最後が「何者にもならなかった」優未で終わるのは良いと思うのだけど、寅子と逆の道を選ばせてそれでも幸せなのだと言わせるために、大学院中退や結婚&就職しないことになっているように感じて、幼少期を見てきた優未との一貫性を感じないというか…。設定ありきでキャラクターらしさが死んでいるように感じた。轟も、ゲイで視野が広くてよねや女子部の穏やかなよき理解者で…と歳をとるごとに記号化が進んでいったような。とらつば全体に言えることだけど、キャラクターの台詞を借りて脚本家が言いたいことを言わせている印象が強かったことが私が最後にハマりきれなかった理由だと思う。
最終月になって美佐江のエピソードを回収したり、尊属殺を扱ったりとにかく最後まで現代の視聴者に問いを投げかけ続けたいのだな…というのは伝わってきて、朝ドラというフォーマットの中でこれをやり切ったことは非常にチャレンジングだったように思う。いやそれにしても前半は本当に面白かった、朝ドラに限らず歴代のドラマの中でも屈指の面白さでした。本当に好きだったなあ、わくわくさせてくれてありがとう!!出演していた演者もみんなみんな大好き!!最終話後に皆さんのSNSを巡るのが楽しかった…直道兄ちゃん花江ちゃんのクランクアップに駆けつけてくれてありがとう…。
最終週前に放送されたスペシャル番組もとっても良かった!女子部集まってワイワイやる番組、半年に一回くらい見たいよ〜。OP映像のフルバージョンも泣きました。特にお父さんの「でかした」で…私はやはり寅ちゃんが母でなく娘として奮闘していた頃が好きなのかも。
光る君へ
源氏物語大好き!楽しみ!!と騒いでいたくせに2ヶ月くらいで脱落してたまにタイミング合えば見る…て感じになっていたんですが、友人たちから「源氏物語書き始めたよ!今から見ても面白いよ!」と勧められてまひろが内裏に上がったあたりから復活。お、おもしろ〜〜い!!画面が美しい!!個人的に彰子様役の見上愛さんがとってもツボです。そして敦康親王との絡みが藤壺と光源氏そのもので尊い〜!うつくしい〜!でも今後の展開を考えるとつらい〜!!まひろの外で働く母としての姿や道長の空気読めない不倫男仕草、倫子様の機微も非常にリアルで、ものすごくお金のかかった麗しい画面で現代ドラマを見ているような気分です。これは最後まで完走できそう。というか見ていないところをちゃんと追いかけよう…。
西園寺さんは家事をしない
西園寺さんと楠見くんが両思いだとわかっても、最後までルカちゃんの気持ちを尊重して偽家族のありかたを模索する姿勢が一貫していて良かった。最終話、そうかこれは西園寺さんがシルバニア部屋を卒業する話だったのか…と納得はしつつ、西園寺さんは家族とこじれていただけで職場や友人関係はしっかり充実していたわけだし、シルバニアは別に逃避だけではなかったんじゃない?という気持ちにもなった。漫画完結しているらしいのにあのモヤっとした終わり方もちょっと惜しい。しかし高畑淳子の演技に全て持っていかれる最終話だったな…。「DVなわけでもない父親と子どもたちを置いて男と出ていった母親」をこんなに自然に描いていたのはかなり評価高いです。
ドキュメンタリー
timelesz project
はい、タイプロ見るためにネトフリ再開しました。このブログでもちょいちょい書いていたけど、ドームコンサートに行ってからマリウスの卒業カウコン、事務所のあれこれ、ケンティーの卒業とSexyZoneラスト配信…と怒涛の展開を目を白黒させながら眺めていたにわかもにわか・茶の間ファンの私。ここで新メンバーを入れる、しかもオーディションやるという企画にめちゃくちゃ感動したし、菊池風磨さんの覚悟ガン決まった受け答えを見て、彼らがここまでの気持ちでやり始めたことは見届けたいな…と思いました。
で。今2話なんですけど。正直…正直、舐めてんのか????と思う出演者が多すぎて、いやドキュメンタリーとしてそういう演出なのはわかってるんだけど、それにしてもこれまでちょろっと見たことあるアイドルのオーディション番組で審査員の曲いっこも聴いてないとかそういうレベルの人は見たことなかったので…!びっくりしている!高校生はともかく20代でその会話はアウトだろみたいな人が多すぎる!やはり技術や容姿が伴いつつ本気でアイドル目指しているような子は既存グループに入るのではなく一からデビューを目指す鯖番とかに出たいから応募しなかった?のかな?あと事務所に所属してないっていう条件が厳しかったのかな…?人材、もっといるよねえ!?
ここからJr.も合流するらしいしチーム戦で人柄とか見えてきたら印象が変わる…のかな…?わからん…。でも彼らの旅を見届けるぞ…最後までやるだけやってみて今年はやっぱり誰も入れませんという決断でも全然いいと思いますけども…。
舞台
今月観劇した2本、どちらもとても良くて余韻に浸れる作品だった。
小説
全自動お茶汲みマシーンマミコ
大好きな白井さんのブログが書籍化したよー!!わーーい!!何度も読み返してきた大好きなお話たちがたくさん収録されていて嬉しい。新しい編集で、この順番で読むことでまた一層立体的に楽しめました。マミコシリーズと他のお話は独立しているイメージがあったので、同じ地平線の話として読むとまた新鮮だった。ラストもそのキャラが引き取るのね!と興奮したり。白井さんの描く女の子って、完璧な女とダメな女、男に媚びる女と自立する女みたいな二項対立でなくて、グラデーションなんだよね。女同士の感情もただ嫉妬したり憎んでいたり盲目的に好きだったりということがなくて、ぶっ飛んだ設定でも血の通った話だなと感じる。そして表紙や帯にも抜粋されているけど、ガツンと心に残るキラーコピーがざくざくですごい。公開当時から大好きなのは「最高の女友達は最低の彼氏に勝てない。最悪。」です。コスメの紹介挿絵もかわいい。
余談ですが白井さんとごはんをした時に、デザートプレートに「マミコ書籍化おめでとう」と書いてもらったら店員さんに「マミコ様、おめでとうございます〜!」と声掛けされて、なんかマミコが生きてるみたいに感じてエモでした。
ツミデミック
一穂さん、ついに直木賞…!とお祝いの気持ちマックスで読んで、「なぜこれで直木賞…」と項垂れてしまった。一穂先生にも好きだった方にもごめんなさい。でも本当に、普段あんなに面白い作品を書かれているのになぜこれで…これを最初に手に取った方は他の作品を読もうと思ってくれるのかな…といらん心配をしてしまうくらい、シンプルにお話を面白いと思えなかった…し文章もいつもよりつるっとしていたような…。「特別縁故者」だけオチが良かったかな、と思ったけどそれでも普段の面白さと比べると…うーーーん。でもこれからも作品は読み続けるよう。
らんたん
明治維新以降の日本の女性教育を推進した女性たちの大河物。このテーマをシスターフッド小説として読めたのは良かった。ただ苦手な方の柚木麻子というほどではなかったけど、とらつばに感じたような「キャラクターの深みよりも、作者が言わせたいセリフが先行しているなあ」という印象があって物語としてはそこまで入り込めなかったかも。
漫画
マイホームヒーロー
ついに完結!!でアプリで最終話まで読みました。毎話毎話ここまでの地獄からどうやって終わるんだ、哲雄が死んで「それでも良い人生だった…」と回想するエンドくらいしか思いつかないよ…ていうか娘の手で死ぬ展開だけはやめてくれええと呻いていたんだけど、想像のはるか上をいく良い最終回だった!と思う。本当に最後まで「マイホームヒーロー」だった、という素晴らしく軸のある作品だったなあ。ずっと面白かった。
インターネット・ラヴ!
1話試し読みで気になっていた売野さん初のBL作品(意外!)今年読んだBLベストかもしれないこれは!!とにかく漫画が…うまい…!(当たり前である)なんでこんなにSNSやってる人間の解像度が高いんだ…。SNS中毒な韓国男子ウノくんと、何年もSNS越しに彼を見ている日本人男子・天馬くん。ウノくんがインフルエンサーとかではなくフォロワー3桁くらいのただのお金持ち男子というのもリアルで良いし、2人が翻訳アプリを使えばすぐに会話できるところをまわりくどいコミュニケーションを楽しんでいる様子もとっても良い。キャラクター造形もストーリーも話数も完璧だったーーいやまだまだこの2人の話を読みたいけどーーでもここで終わるのが完璧だーー。
今月は旅行を2回したり友達と会う機会が多かったりしたわりにエンタメ摂取も捗っていて良いバランスで過ごせた。ネトフリでいくつかドラマを追いかけ中だったり、漫画の続刊をいろいろ読んでいたのだけど感想は完走した時に。あと最近週末の夜は娘と映画鑑賞会をしていて、アンパンマン映画をいくつか見たのでそれも別途書きたいな。
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