タクシー運転手との喧嘩

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週末は上海にいた。旅行記は別途書くとして、印象的な出来事があったので日記。

私の場合

上海の浦東空港から目的地まではタクシーを利用した。深夜便で到着が早朝だったのもあるし、目的地が電車のアクセスがそんなに良くない場所なのでいつもタクシーを利用している。到着ロビーを歩いていると大勢の白タクのおじさんに声をかけられる。中国に限らず空港で声をかけてくる白タクにはろくなものが無いので利用しない。配車アプリを使うことはあるが基本的には空港が認可しているタクシーを利用するのが無難だ。

いつも通り空港の公式タクシー乗り場に向かい、係員に行き先を伝えてタクシーに乗り込む。ディズニーランド、は一発で通じたことがない。いつものことなのでホテルの住所や公式サイトのスクショを用意しているが、それを見せても大抵その場にいる全員が「どこ?」という反応をしてくる。開園して2年も経っているのにそんなに知名度低くて大丈夫か…と毎回不安になる。
住所から地図アプリに入力してもらったりしつつ、行き先も決定して発車。空港エリアを出る時点で一時停車して空港係員にメーターのチェックを受け、運転手が何かしらのサインをし、行き先を伝えている。こうやってしっかり管理された認可タクシーでないと不安なんだよなー…と思った矢先、高速道路に乗ってすぐに運転手が「200元」と言いながらお金を渡すよう手振りで示してきた。前払いで200元払え、ということなのだろうけど、いやいや。前払いの約束はしていないし、その稼働しているメーターの意味とは。私も友人も何度も浦東とディズニーの間をタクシーで移動したことがあるけど、料金が100元に達したことなんてない。流しのタクシーならともかく、認可タクシーに空港の管理を抜けたところでこんな不正を持ちかけられるのは予想外だった。舐めんなよ。即座に2人してNO!と言うと大声の中国語で怒鳴られる。

とりあえずなけなしの中国語で「去年来た時は100元だったんだけど」と言ってみると「去年は去年だ、今年は200元」と返される。中国ではそんなこともあるのかな…と思いかけたが、メーターは普通に動いていてまだ30元くらい。あと20分足らずの走行で200元まで上がるはずがない。「それ(メーター)見てるからね」と伝えると舌打ちしながら黙り、猛スピードでカーチェイスを始められた。しかも途中で隣の車線の運転手と喧嘩をされた。まじで勘弁してほしい。

最終的にホテル到着時のメーターの数値は80元。ほら、やっぱり100元もいってないじゃん!!運転手はそれでも200元だと繰り返し動かない。ホテルに着いたら英語の通じるドアマンがいるはずだし、そこで事情を話して助けてもらおう、と思っていたのだが早朝すぎるのもあり人の気配が遠い。降りてしまいたいところだけどトランクに荷物があるので走り去られても困るし、どう交渉したものか、と思いつつしつこく「80元だよね!?」と訴えていたら、運転手が怒鳴りながら車のドアを開け、荷物を下ろした。諦めたようだ。結局100元札を渡し、お釣りが戻ってくることは無くすぐに逃げられた。提示された200元の半額ではあるものの、メーターの正しい数字よりはぼったくられている。ほんの数百円の話だけど悔しい。というか朝からこんなことで消耗させないでほしい。疲れた。

密室で成人男性から知らない言語で一方的に怒鳴られるのはかなりストレスだし、異国でどこに連れて行かれるかわからない状態は純粋に恐怖なので、お金で解決できるなら…と提示額を払ってしまう気持ちもわかる。ぼったくるならぼったくるでせめて物腰穏やかにやってほしい。若干の車酔いと、「喧嘩で勝てるくらい、ていうか最初から舐められないくらい中国語を上達させたいな…」という気持ちが芽生えた出来事だった。

母の場合

帰国後、母と別件で電話している際にお互いの直近の旅行の話になった。母は先月友人と南仏に旅をしている。その際にタクシーにぼったくられそうになったんよ、と言う。え、奇遇だね、私もちょうど一昨日ぼったくりに遭ったんよ、と相槌を打ちながら母の話を聞く。

曰く、ニースで駅からタクシーに乗ったところ、目的地近くで車を停められ、このまま目的地まで行って欲しいならメーターの倍以上の額を払えと言われた。正規の金額との差額は日本円にして5000円以上だったらしい。母がありえない、メーターと値段が違うと怒ったところ運転手は逆ギレしてきた。ここまで私の話と全く同じで笑ってしまった。勝手に中国人の評価を下げてしまうところだったけど、白タクのふてぶてしさは万国共通だな。

しかしここからが違った。母はすぐさまメーターと車内の運転手の名札を携帯で写真に収めた。また勝手に車を降りてナンバープレートも撮影し、「然るべきところにこの写真を送る」と脅し忠告したらしい。運転手は慌てて荷物を下ろし、1ユーロも受け取らずに走り去ったそうだ。目的地までは少し距離があったがgoogleマップで現在地もわかったし、荷物を持って徒歩で向かった。結果的に無料で乗っちゃってちょっと悪かったかなー、と母。強い。強すぎる。私の「提示額よりは安く抑えられた」なんて話は甘っちょろくて話せたものではない。母の同行の友人は口論が長引きつつあった時に「5000円くらいなら私が払うし、とりあえず発車して貰おうよ」と提案してくれたらしいが、母は「私たちが損したくないだけじゃないの、今後来るアジア人女性がカモにできるって思われたら困るでしょ!」と応戦を続けたそうだ。大阪のおばちゃん×語学力、最強…。

そんな母が「もう歳やし、疲れやすくなったし、海外に行けるのも人生であと数回かなあ」なんて弱気なことを言い出したので、ご冗談でしょうと思いつつ、だったら来年のGWの10連休は一緒にどこか行こうよ、と誘ってみたところ電話終了後に航空券情報のURLがたくさんLINEに届いていた。久しぶりの母娘旅、実現したらいいな。