歴代トニー賞授賞式のベストパフォーマンスを紹介するよ

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今年もトニー賞の授賞式が行われました。2018年は「バンズ・ヴィジット」が10部門受賞の圧勝ということで、BWで観たい作品が増えましたね。またディズニーの新作「FROZEN(アナと雪の女王)」のパフォーマンスも話題になりました。

海外ミュージカル好きではない方のために一応説明しますと、

トニー賞とは

一年に一度、ニューヨークのブロードウェーで上演された演劇作品に対して与えられる賞。演劇におけるアカデミー賞みたいなもので、作品、役者、音楽など色々な部門の賞があり、この賞を取るかどうかがその後のロングランを左右する。

授賞式パフォーマンスとは

トニー賞の授賞式で表彰の合間に舞台で行われるパフォーマンス。その年のノミネート作品から名場面やメドレーを披露することが多い。

やっぱり名作中の名作の良いとこ取りなだけあり本当にクオリティが高いのです。授賞式パフォーマンスを見ていると既に観た作品は「この場面、良いよねえ」と思うし、まだ観ていない作品はめちゃくちゃ観たくなるんですよね。

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ということでミュージカル好きの方にもそうでない方にも舞台の魅力を感じて頂ける、独断で選んだお気に入りのベストパフォーマンスをいくつかご紹介します。
ついでに布教も兼ねて「日本で観られるかどうか」も併記しますので、興味のある方は劇場で是非。

※私がトニー賞授賞式中継を見るようになったのは2000年前後なため、思い入れが強いのはそれ以降のパフォーマンスが多いです。ご了承ください。

(曲タイトル、作品名、授賞式年度)

・Defying Gravity(Wicked,2004)

ウィキッドの最大の見せ場、Defying Gravity(自由を求めて)のパフォーマンス。エルファバ役のイディナ・メンゼルはこの年の主演女優賞も受賞しています。(後半イディナは喘息を起こしながら歌っているのですが、迫力がすごい。)私はこのパフォーマンスを観て心を撃ち抜かれ、世界のウィキッドを巡る人になりました。来日コンサートでイディナのナマ歌を聴けた時は涙が止まらなかった。ありがとうアナ雪ブーム…。(Idinaはエルサのオリジナル声優です)ウィキッドは本当に他のどの曲も素晴らしく脚本も良いです。日本では劇団四季が定期的に上演していますのでぜひ。

・Matilda(Matilda,2013)

マチルダのメドレー。子役ミュージカルの金字塔はマチルダとビリーエリオットだと思っている。子どもたちが学習机の上で飛び跳ねて歌う Revolting Childrenがめっっちゃくちゃ格好良いのでご覧ください。どうやったらこんなに歌って踊れる子役たちが育つのか。。黒板に文字が舞うファンタジックな演出も壁いっぱいの装飾も可愛くって大好き。続くWhen I grow upは子どもの可能性は無限大だな…としみじみ感じ、大人目線でも泣いてしまう。マチルダは残念ながらまだ日本未上演ですが、今年の秋から韓国上演が決定しています!やったね!近い!私も行く予定です。

・Angry Dance(Billy Elliot,2009) 

ビリー・エリオットよりビリーの怒りを表すダンス。踊りだけでこんなに心情表現ができるのか…と感動します。この年は史上初・ビリー役の少年3人が同時に主演男優賞を受賞していました。ちなみに冒頭にプレゼンターとして出ているエルトン・ジョンが全編の作曲を担当しています。名曲揃いです。
ビリーエリオットは昨年やっと日本で上演されました。再演できるのかな…してくれたら嬉しいな。こちらもお隣韓国でも上演しています。

・You don't know〜I am the One(Next to Normal,2009)

実は私が一番好きなパフォーマンスがこれ、ネクスト・トゥ・ノーマルの2曲続けての場面なんですが、ここは舞台の進行上でもすごーーーく重要なシーンなんですね。精神病を患う妻とそれを支える夫、2曲目で出てくるイケメンは息子です。詳しいことを話すとネタバレになってしまうのですが、この3人の歌と視線の交錯の仕方が本当に素晴らしい。めっっちゃくちゃ格好良い曲はもちろん、錯乱する妻、疲弊して逆ギレする夫、そして母に都合の良い息子の存在(ネタバレになる…)のすれ違う関係性を表す歌詞も素晴らしい。日本では過去に上演され、今年もイベントで一部分の上演がありましたが本格的な再演はされていません。本当に大好きな作品なので再演して欲しい…。 

 

・Spring Awakening(Spring Awakening,2007)

思春期の若者の性の目覚めと大人の抑圧を描いた当時の問題作「春のめざめ」のメドレー。これほぼ初演キャストのパフォーマンスなんですが、このキャストの豪華さがまた見所のひとつ。Gleeで一躍有名になったリア・ミシェルやジョナサン・グロフが主演陣にいます。(というか、春のめざめで有名になった後にGleeに出演している)(ちなみにジョナサンはアナ雪のクリストフ役でもあります。アナ雪は本当にミュージカルファンにはめちゃくちゃアツい布陣だったんですよ…)
春のめざめは過去に短期間だけ劇団四季で上演したことがありますが、再演はされていないです。ちなみに当時劇団四季に所属していた柿澤勇人さんも出演されていました。セットや衣装も楽しい作品なのでまたやってほしいな。

・Circle of Life(Lion King,2008)

ライオンキングの10周年パフォーマンス。98年にもパフォーマンスしていますが画質的に新しい方を貼りました。ライオンキングの衣装デザイン、美術はブロードウェイを確実に数年分は進化させたと思う。動物をこの衣装とメイクで表現する発想、今見ても本当にすごいですよね。初演で観た人が羨ましい。日本ではご存知劇団四季が常時公演してます。

 ・Hamilton (Hamilton,2016)

歴代最多部門受賞作品、ハミルトンのメドレー。私は残念ながらまだ観たことがないんですが、このパフォーマンスの盛り上がりはすごい。テーマ的にもこの時代のアメリカだからこそ爆発的にウケたんだろうな、と思いますが。。歴史物でありながらヒップホップメインでラップ有り、ほぼ白人しか登場しないストーリーの役者がほぼ有色人種、と色々と新しい試みをした作品。いつか観てみたいです。この時のパフォーマンスはフロリダの銃乱射事件の直後だったことがあり、銃を手で代用してパフォーマンスしています。あと導入のスピーチをオバマ大統領夫妻がしているのも印象的。こちらは日本未上演です。ていうか上演できる日は来ない気がする…。

・We'll Take a Glass Together(Grand Hotel,1990)

グランドホテルのパフォーマンス。年配の男性オットーが酔ってテンションが上がった状態でダンスホールで踊る場面なんですが、見ていると足どうなってるの…?!CGじゃないの?!という動きをします。すごい。ダンサーすごすぎる。日本ではたまーに再演されていて、昨年は宝塚でも上演されました。 

・La Vie Boheme〜Seasons of love(RENT,2008)

こちらは96年初演のレントがこの年にクローズするということで、メモリアルなパフォーマンス。導入とラストにオリジナルキャストが出演し、作品の社会メッセージや初日を観ることなく急逝した演出家・ジョナサン・ラーソンへの愛を語るところが感動的。私の大好きなイディナも当時の夫と出会った作品がレントであることに言及しています。(離婚したけど)レントは日本でも定期的に上演されているし、最近は来日公演も頻繁にありますね。

・Getting to know you〜Shall we dance(The King and I,2015)

王様と私のリバイバル公演のパフォーマンス。王様役に渡辺謙が出演していたことで日本でも話題になりました。ケリー・オハラの美声は素晴らしいし(この役で6回目のノミネートにして念願の主演女優賞を受賞しています)このパフォーマンスでは渡辺謙が!かっこいい!!3:45あたりの腰を引き寄せて"Come."って言うところ見て!!!渡辺謙がセクシーすぎて客席から悲鳴が上がっています。これはずるい。私も中継見ながら「ヒェッ」と声が出ましたもの。王様と私は日本でも昔から何度か上演されているんですが、最近は再演を見ていないような…。

 

「作品が好き」という基準だと他にも山ほどあるのですが、ひとまずパフォーマンスが特に好きなものを選びご紹介しました。演劇って通しで演じているからこそ役の気持ちになれるのだと思うのに、一場面だけのパフォーマンスでここまで魅せてくれるのって本当にすごいですよね。プロだ。うーん、永遠に語れる…。いつか授賞式の客席に座るのが夢です。
気になる場面があったら、ぜひ劇場で全編ご覧ください。