王を称えよ!バーフバリ 王の凱旋

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友人から「絶対に好きだと思うから一刻も早く見て」と熱烈なプレゼンLINEが届いたので、巷で話題のインド映画「バーフバリ 王の凱旋」を見て来ました。そういえば今年初の映画館だ。

平日夜21時すぎからのレイトショー、終了は日付を超える時間だというのにほぼ満席。リピーターっぽい人もいて、本当に人気なんだなーと実感。

そして鑑賞後のツイートがこれである。

見た人がみんなバーフバリバーフバリと叫んでいて、何かのネタかな?と思っていたのだけど、違ったね。自然と叫ばずにはいられない状態になるんだね!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!王を称えよ!

本当に、めっっちゃくちゃ面白かった。これぞエンタメ。アクション映画としては過去見てきた中で一番圧倒された。すごい。インド映画のスケールすごい。
1を見ていないのに2を見て大丈夫かな?と思ってたけど、最初にしっかりこれまでのあらすじを解説してくれる親切設計なので問題なかったです。(そして本編が始まってから、あらすじが本編の壮大なネタバレであることに気付く。)

とにかく見所が多すぎて、「最初から最後までクライマックス」とはまさにこのことだなと。
あらすじのダイジェスト映像から「なにこれwwwww」と草が生えまくっていたのだけど、本編が始まっても、どんどんぶっ飛ばしてくる。
しばらく経って「よしインド映画のノリにも慣れてきたぞ、人が空を飛んでも巨木を片腕で引き抜いてもびっくりしないぞ」と思った頃にまた予想の更に斜め上をいく展開がやってきて、「慣れたとか思い上がってごめんなさい」という気分になる。その繰り返しだった。

普通の映画ならこれが最大の見せ場だよな、と思うような場面(大掛かりな戦闘シーンとか、名乗りをあげて大見得を切るシーンとか、戴冠式とか)が10回くらいあったように思う。5時間くらいの体感時間だったけど、実際は2時間ちょっとの映画なんですよね…本当にずっとクライマックス状態。


そしてそして、インド映画といえばダンス!本当にどんどん歌詞入りの音楽が流れるし、歌うし、踊る!あれはテンションが上がる。ミュージカル映画と言っても差し支えない場面が多々。
この迫力ある豪華絢爛な映像と音楽は、絶対に映画館で見た方が楽しい。上映期間に間に合ってよかった!

ストーリーは単純明快で、キャラクター描写もわかりやすく、かつかなり掘り下げてあり、最初は耳馴染みが無い名前もすぐに覚えられた。
戦闘シーンが多いものの、カメラワークの種類も多いし、宮殿や大自然など、とにかく画面が美しい。大勢の軍隊や踊り子の一糸乱れぬ動きとか、裁判や戴冠式で民衆が集まっている様子とか、叙事詩の絵画みたい。
そして端々にインド神話やヒンドゥーの宗教観、現地の慣習がにじみ出ていて、わからないなりにインド人の価値観や倫理観が垣間見えるのも面白い。特に「足」と「額」の描き方がとても印象的だった。恭順の示し方や誓いの言葉、剣の扱い方など、欧米映画では見られない仕草がたくさんあって楽しい。色彩が鮮やかな衣装もアクセサリーもとても美しい。

そしてキャラクターがとてもとても魅力的。


一般庶民が共感などできない、こういう圧倒的なカリスマ主人公を見るのも楽しいな。
とにかくバーフバリ(父)が人格者すぎて、王として完璧だし、気付いたらマヒシュマティ王国の国民の気分になっていた…。そりゃ興奮した民衆によって地面が揺れ小石も跳ねますわ。。
そしてバーフバリが恋する王女、デーヴァセーナも素敵。ちょっと黙ってた方が世界が平和になるんじゃないかと思うけど、常に正論of正論を叩き出してくる爽快さよ。

一番感動したのは恋愛の描き方。「王の帰還」は戦闘以外はほぼバーフバリとデーヴァセーナの恋物語がメインになると思うのだけど、本当に素晴らしかった。理想の、対等な人間関係をベースにしたラブストーリーだった。
インドでの女性の扱われ方はよく問題提起されているけれど、ここまで全方向に配慮した脚本というのはハリウッドでもなかなか見られないのでは。
女性の身体を撫で回していた役人の指をデーヴァセーナが切り落とし裁判にかけられている場面で、バーフバリが「お前が悪い。切り落とすのはこの男の指ではない、首だ!」と勝手に私刑に処するシーン、事前にツイッターで見ていたのにめっちゃ興奮した。いや裁判の意味とは…とかつっこんではいけない。
デーヴァセーナに結婚を申し込む際に役人がさりげなく「女性を人形のように扱うのは…」と苦言を呈しているのも、よかったな。こういう大河物にはない価値観。

デーヴァセーナの誇り高さ、正しさと、そこに惚れて尊重するバーフバリという図が大変よかった。(思いっきりバトルしながら惚れた女を思い出してニヤニヤしているコメディシーンとか和んだ)国母様命のマザコンかと思いきや、己の正義はしっかり貫き妻を守る、素晴らしい息子にして夫や…。


わかりやすい悪役であるバラーラデーヴァも、狡猾さとギャップのある超マッチョぶりがよかった。どんな最新兵器を使っていても最後は肉弾戦なんですね、いいと思います。真の戦士に鎧など不要。いやとにかく筋肉だらけの映画だったね。マッチョ好きな人にもおすすめです。
しかしバラーラデーヴァも、国母様の育て方のせいでああなってしまったんだよな…乳兄弟のドロドロって実際あったんだろうなーとか。女性問題だけでなく、法統治の難しさ、人の上に立つとは…みたいな、色々と考えさせられる映画ではあったのだけど、怒涛のエンタメ要素がそういう道徳的なメッセージを説教くさくなくマイルドに(?)させていて、すごくよかったです。

絶対に映画館で見た方が楽しい映画なので、みんな映画館で見てほしいよ…応援上映行きたいよーー。

 

Bahubali 2 - The Conclusion (Original Motion Picture Soundtrack)

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サントラ聴きまくってる。