湯河原温泉に一泊してきたよ。湯河原・箱根は行きやすくていろんなお宿があって楽しい、とやっと馴染みを感じてきた上京5年目。
今回お邪魔したのは料理旅館の三桝家(みますや)さん。某雑誌で関東の一人旅もできる温泉旅館として紹介されていて気になっていたのでした。
到着してすぐにロビーでウェルカム抹茶とお菓子をいただく。このロビーに「宙」の書が飾ってあり、初代宙組トップスターが贔屓である私はなんか嬉しくなったりしていたのだけど、この後もっと驚くことがあるのであった…。
旧岩崎邸跡地の和モダンな宿、ということで館内には絵やら壺やら色々アンティークなものが飾ってあって楽しかったのですが。
普通に置いてある雑誌が一番アンティークでびっくりした。こんな綺麗な状態でその辺にぽんと置いてあるのすごいよ…!?
小さいけど鯉のいるお庭も歩けます。
部屋はこんな感じ。関東近郊のお宿にしては珍しくwifiが飛んでなくて、持参したPCで仕事せずに済んだ。お風呂は内風呂と露天が一つずつなんだけど、温度がちょうど良くてずっと入っていられる感じだった。特に露天がよかったな。
料理旅館ということで食事に期待していたのだけど、これが良かった!






多すぎず少なすぎず、そして高級路線すぎず寛ぎながら楽しめる食事たちで。八寸がすごく可愛くて凝っていたりお刺身が一人ずつ舟盛りだったり最後の食事が鯛めしだったり、仲居さんがとても親切で色々とご説明いただいたのも嬉しかった。レビューで「親戚のおうちにお邪魔したようなおもてなし」とあったのだけど、本当にそういう感じ。今回は夫の誕生日祝いのために予約していて、オーベルジュなども検討していたのだけど、せっかく温泉に行くのだから肩の力を抜いてのんびりできるところがいいな、と思ってこちらを選んだのだった。正解だったな。
こちらが朝ごはん。たしか旅行サイトの朝食ランキングで受賞していたのだよね。
蟹ががっつり入ったお味噌汁。これとは別に小鍋で湯豆腐もあって嬉しい。(鍋物が2つ以上あると嬉しくないですか)
そして今回、全く予期していなかったサプライズがあったんですけど。旅館の一部に「展示室」があったので何なのかなと思って覗いてみたら。なんと。
宿の初代女将がクーデンホーフ光子の姪御さんというご関係らしく、光子の展示室があったよ!!温泉旅館の中に!!!どういうこと!?


クーデンホーフ光子さんとは、オーストリア=ハンガリー帝国の貴族に嫁いだ日本人女性で、日本で初めて国際結婚した女性であり、日本人で唯一オーストリアのハプルスブルク家のフランツ・ヨーゼフ一世と会話した方です。安蘭けいさん主演のミュージカルMITSUKOは個人的には正直出来は微妙でしたがマテ・カマラスが日本の舞台に通しで出演してくれたのが嬉しかったよね。
またEUの礎を築いたリヒャルト・クーデンホーフの母で、パン・ヨーロッパの母とも呼ばれています。


家系図や関連書籍と共にリヒャルトがモデルの一部である映画カサブランカのパネル、ゲランの香水ミツコも展示してました。狭い空間だし、温泉に泊まりに来ている人のほとんどは興味ないかとは思うんだけど、ハプスブルク家の黄昏を愛し続けて20年の私がここに偶然来たの奇跡じゃない!?!?そしてちょうどイギリスのEU脱退の週でご時世的にもホットなのが面白かった。
いやあ、自分の引きの良さにびっくりした。宿泊者しか見られなさそうなので、興味のある方はぜひ行ってみてください。
帰りに訪れたポーラ美術館が香水瓶の展示をしていて、そこでミツコについても触れられていた(が現物はなかった)のがまた、不思議な縁だったなあと思うお宿でした。
温泉宿についての記事など
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