ファインディング・ネバーランドの来日公演を観てきた。トニー賞パフォーマンスで気になり、2016年にBWでtktsに並びながら迷いに迷ってダレンのヘドウィグを取ってしまって以来(どちらも主演がgleeキャストで迷っていた笑)ずっと観たかった作品。まさか日本に来てくれるとは。
1幕では演出好きだけどストーリーはそこまで好みではないかなあ…と思ってたのに2幕が死ぬほど良かった。ずっと泣いてた。泣きすぎて呼吸困難になったし頭痛い。観られてよかった。。 pic.twitter.com/4YptPQ0T4L
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
とにかく泣いた。1幕はストーリーが単調というか、子供心を忘れない主人公VS大人になれと迫る周囲の図がどうしてもそんなに深刻な状況には見えなくて(要はスランプでしょ)美術は綺麗だけど脚本は悪ノリが多いなーくらいに思っていた。のに。2幕はもう7割くらい号泣していたと思う。
なんかここまで鼻水垂らして息も絶え絶えになるほど号泣したの何年ぶりだろうという感じでちょっとしたデトックス気分だわ(ファインディングネバーランド)
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
【ファインディングネバーランド】お母さんが咳き込むあたりからもうずっと泣いてた。子役が上手くてずるい。もうだめだ。子どもいないのにこんなに可愛い子達を残していく親心を思うと無理。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
【ファインディングネバーランド】家でピーターパンを上演してる時、あの決めのソロをお母さんじゃなくておばあちゃんが歌うのめちゃくちゃずるい。もう既に号泣だったけどあそこで過呼吸になり、ラストで前が見えなくなった。金の粉の演出ずるすぎる。あんなの泣かない人いるの…?
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
【ファインディングネバーランド】冷静に考えるとストーリーや曲が他の作品と比べてめちゃくちゃ好みというわけではないし、むしろ普段はバックステージ系の作品って映画なら好きだけど舞台だとそこまで…なんだけど。視覚的な美しさと、子役と、ここぞという時のベタな演出効果にやられたな。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
【ファインディングネバーランド】1幕ラストの帆がバッと張るところとか、2幕のピーターパン上演〜お母さんがネバーランドに旅立つところとか、ものすごくベタなんだけど、私はミュージカルにこのベタさを求めて観に来ているんだ…!という興奮がある。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
1幕で感じた「ストーリーの単調さ」というのは2幕で大きく変化するわけでないのだけど、人間の心理描写が本当にぐっとくる。そして夢のようなファンタジー世界の演出の美しさが胸を打つ。
【ファインディングネバーランド】映像が最新なのに、フライングがラストのピーターパン以外では一切ワイヤーを使ってないのが最高に良い。イマジネーションだ。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
最新の技術で本当に役者を宙に飛ばすことなんていくらでもできる時代。作品の中では比較的大掛かりに見える1幕ラストのマストも、もっと迫力あるセットはいくらでも作れたと思う。でも装置は全体的にかなりシンプルだったし(ツアー用に簡略化されていたのかもしれないけど)全てにおいてできるだけ人力を貫こうという演出にこだわりを感じたし、それが作品全体にどことなくレトロな雰囲気を醸していてよかった。
また作品の「演劇」に対するスタンスが一貫しているのを感じた。そこにないものを心の目で見えるようにするのが演劇なのだ。
そして映像もその想像力を邪魔しない程度のリアル感で、美しかった。
【ファインディングネバーランド】映像の背景も新しいんだけどクラシカルでシックで素敵だった。変に映像っぽすぎなくて絵画みたい。そしてどの絵でもここはロンドン!というのが伝わってきて嬉しい。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
【ファインディングネバーランド】子ども向けかと思いきや真逆で、完全に大人向けの舞台だと思ったなあ。夢見ること、空想を信じることを忘れてしまった、もしくはずっと忘れずにいたい大人のための物語だった。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
そこには無いものを本当にあると信じるのが遊び(play)であり演劇(play)であるとか、子供にとって永遠に大人にならない国ネバーランドは、大人にとっては死者が永遠に年を取らず幸せに過ごせる場所である、とか、テーマは本当に大人向けだなと感じた。
逆に子供はどんな目線でこの作品を楽しむのか気になる。ピーターパンの裏話、親を亡くす子供目線で感動するのかもしれない。
特に好きだった場面は、1幕の「メリーゴーランドのような人生」と追い詰められる場面と、王道の1幕ラスト
【ファインディングネバーランド】1幕ラスト曲はトニー賞でもいろんな宣伝映像でも見てたけど生で観るとぶわーっとくるね。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
2幕のパブ
【ファインディングネバーランド】みんなが童心を取り戻していくパブの場面、曲もアイリッシュで良かったな。私は6歳までイギリスで育ったので出てくるナーサリーソングが本当に全部馴染み深くて懐かしくて、うわーとなった。母もイギリスでの子育てのことを思い出してぐっときたと言ってた。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月20日
そしてピーターパンの上演以降。
2幕は特に祖母の存在感が素晴らしかったな。心から娘と孫を心配しているからこその言動、そして「子ども時代の心、想像力を消して生きている」人物の代表格である祖母が、ピーターパンのあのソロを歌う流れ、後見人としてバリと協力していくことが見えるラストが本当によかった。キャストさんのお歌もめちゃくちゃ上手かった。。
一点残念だったのはバリとシルビアの関係。
【ファインディングネバーランド】個人的にはバリとシルビアの関係は最後まで良き友人であってほしかった。子どもと大人の世界の介在者というか。ピーターパンとウェンディは恋愛関係でないところが良いと思うんだ。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月21日
気にしすぎなのかもしれないけど、恋愛関係を匂わされてしまうと、結果的にやっぱり不倫じゃん…となるし、全くそういう感情がなかったにしろ前半のやりとりも恋愛関係に到るまでのニュアンスを含んでしまう。あのキスは蛇足だと思うなあ。
映画にはそういう描写はなかったようだし、ハグや頬へのキスくらいなら親愛の情と解釈もできたのにな。。「周りの誰にも理解されないけど本人たちの中では純粋な友情であり同志である」というピーターとウェンディの関係を貫いて欲しかったな…。
BWで初めてキンキーブーツを観た時、色々な意味で良く出来すぎていて、そりゃマチルダでも負けるわ!と納得したんだけど、正直ファインディング〜がトニー賞かすりもしなかったのも納得なんだよな…目新しさはないし、曲もあまり耳に残らないし。でも心に残る。ちょっと昔のミュージカルみたい。
— 桜花 (@oukakreuz) 2017年9月21日
上演前に授賞式でパフォーマンスしておきながらトニー賞にかすりもしなかったの、観る前は意外だったのだけど観たら納得した。でもそれは全然悪いことじゃなくて、トニー賞の求める「目新しさ」が全くない、ある意味珍しい新作ミュージカルだったということだなあと思う。テーマも演出も衣装デザインも奇抜さはなく、しみじみと良くて、古き良き作品を彷彿とさせる感じだった。
音楽は、帰りに口ずさめるような曲が無いなあと思っていたけど、帰宅後にサントラや動画を繰り返し聞いていたらしみじみ良い曲は結構あるなーと思った。なんか全体的にポップスぽい感じだからかな?
自分の人生ベストランキングに食い込む!というような好みの作品ではなかったけど、泣いたランキングでは間違いなく入っているし(笑)観てよかったなあと思える作品でした。
泣きまくり顔がボロボロの状態でヒカリエの下に降りたらちょうどキャストが出てくるところで、主演陣はじめほぼ全員に会ってサインを頂いたり写真を撮ったりしてしまった。。子役たちみんな元気いっぱいで明るくて、さっきまであんなに泣かせてきた子達と同じ人物には思えなかった。役者だ!!