ここ2ヶ月で読んだ本とか。
・小説など
彼女は頭が悪いから
実際の事件をベースにした小説の難しさを感じる。フィクションですと言われても実在の人物を思い浮かべながら読むことになってしまうし、「勉強ができる人の傲慢さ、情緒のなさ」を強調しすぎていて、良識ある東大生が一人も出てこないのはちょっと、かなりフェアではないなと思う。どんな背景があろうと犯罪は犯罪で許されるべきことではないけど、裁判傍聴の記録など見ていると被害者を「頭が悪いだけでただ純粋な恋愛をした人」にキャラクター設定しているのもどうなのかと思うところはある。格差や選民意識の描写でリアルだと思うところはあるのに、仕上げ方が結局テンプレにしてしまっていて残念だなと思った。ていうかやっぱり普通の東大生がかわいそう。
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三浦しをんのエッセイが読みたくなる期間が定期的にやってくる。私は人のブログを読んでいても「あきちゃんにこう言われた」と登場人物に名前があると勝手に知らないあきちゃんのことを身近に感じたりできるのが好きなんだけど、きっかけはたぶん三浦しをんのエッセイだと思う。面白い人の周りには面白い人が集まっているもので、そして作者の観察眼と切り取り方が上手いので、普通の日常の話がこんなに面白くなるんだなあ。三浦しをんのエッセイみたいな日記が書けたらいいのにな、っていつも思う。
デートクレンジング
柚木麻子はしばらく読まないと言っていたけど、そのずっと前に予約していたのでした。面白かった。女性を取り巻く抑圧云々の話より「女性マネージャーから見たアイドル」の描写がすごく新鮮で。アイドル同士とかアイドルを追いかける人の話はよく読むけどマネージャーの話ってあまり見ない気がする。最後の結論がBUTTERもこんな感じじゃなかったっけ…?みたいな気持ちにはなったけど。。
烏に単は似合わない
前から気になってたの、やっと借りて読めた。和風後宮ファンタジーだと思っていたら最後にガラッと印象が変わって面白かった。なるほど松本清張賞。こういうミステリ好きだな。シリーズが長くて、かつ次巻からはテイストが変わるようなのでいつ手を出すか迷うな。コミカライズの方も気になる。
82年生まれ、キム・ジヨン
話題になっていて読んだ。読みながらずっとあるあるだなあと思っていて、こういう「警察に訴えるまではいかないけど、確実に嫌な思いはしている」出来事を拾って書いているのが上手いなと思う。言い方はあれだけど、これが強姦とかになるとテーマがぶれる。この本を読んで一つも思い当たることがない、と思うような女性はいないと思うけど、韓国ではこの本が燃やされ、この本を読んでいる女性アイドルがボイコットを受けていると聞く。amazonのレビューにも「被害妄想が激しすぎる」とか「悪い例をまとめすぎ。一人の人がこんなにたくさんの出来事にあうわけがない」とか書かれていて、もうそのコメント自体が何故この本が社会現象になっているかを表しているよなあ、と思う。男性こそ読んだ方がいいと思うけど、面白い話ではないし、まあ、別にわかって頂かなくてもいいですね…。結論や解決策が見えない、釈然としない終わり方にも社会を感じるなあ。韓国文学気になるな。
話題のキムジヨン読んでて、リアルに祖母に言われたことがある台詞が出てきてウッとなってると共に、これは日本でも別に特別なことじゃなかったし、改めていこうという動きがあるのは良いことだし、この本を読んでることがバッシングを受ける世の中はやばいし、なんかぐるぐるするな
— 桜花 (@oukakreuz) February 3, 2019
ほぼ縁は切れているので今は問題も無いのですが、幼い頃に父方の祖母から「桜花ちゃんは女の子だから生まない方がいいって言ったのに生まれてきちゃったんだよ」と言われ、弟は食卓に呼ばれ私と母は床の卓袱台を使う、みたいな扱いを受けていたことがあり、まあ、根っこのところには何かしら残るよね
— 桜花 (@oukakreuz) 2019年2月3日
・漫画
ハチミツとクローバー番外編
電子書籍限定の2冊、配信日に買いました。懐かしかった…本誌で読んだなあ。野宮さんが大好きなので野宮さんとあゆの話を永遠に読んでいたい。あゆは実在していたら割とイラっとされがちなタイプだと思うんですが、ただただ可愛く思えてしまうのが、羽海野チカ先生のすごさだなあ、と思う。
忙しくてあまり本を読めなかった…けど、図書館で予約が回ってくるとどうにか返却日までは読まねば!となるので良いですね。今年は小説以外も読みたいな。
最近の本もぐもぐ