アマプラ独占配信のミュージカル映画「シンデレラ」を見ました。
「ピッチ・パーフェクト」の脚本家ケイ・キャノンが、有名なおとぎ話を大胆に作り変えた現代風ミュージカル映画「シンデレラ」。大きな夢を抱く野心家のヒロイン(カミラ・カベロ)が、ファビュラス・ゴッドマザーの魔法の力を借りて、夢を実現させようと奮闘する姿を描く。
…というあらすじから想像される通りのストーリーに、各キャラクターも役者のイメージ通り。音楽が既存ヒット曲のアレンジが多く、とにかく出演者の歌唱力が高いので耳が楽しい!展開に意外性はないけど不快になるところもない、BGVとして流しておくのにちょうどいいティーン向けミュージカル映画、という感想。
「夢を実現しようと奮闘するシンデレラ」が主人公の時点で「王子様に見初められてめでたしめでたし」にはならないだろうとわかっていたけど、さすがに王子様に主体性が無さすぎてちょっと驚いた。愛する人についていけたらオールオッケー!という意思決定は実はこれまでの御伽噺への強烈な皮肉なのか…?
野心あふれるシンデレラ、「弁えない女」にトラウマのある継母、兄よりずっと政治に興味があるのに排除されている王子の妹、と女性キャラの描写は細やかで現代アップデートされて&しっかり昇華されているわりに、王子と父王のキャラ設定がおざなりだなあ…というのがちょっと残念。舞踏会の客にはゴリゴリスキンヘッドの女性もいるのに、封建的で「女性が商売してはいけない」なんて古臭い国がよく生き残ってこられたな…とかツッコミ所はありつつ、そこはまあお伽話なので(笑)
しかしキャストはとにかく豪華!カミラ・カベロのシンデレラはパワフルで可愛いし、イディナ・メンゼルの義母とビリー・ポーターのファビュラス・ゴッド・マザーは「これがやりたくてこの映画作ったんでしょwww」と言いたくなるハマりっぷり。イディナの継母、絶対どこかで見たことあるもん。憎まれ役だけど憎めない女が似合うなー。娘たちに「金持ちと結婚しなさい」とマテリアル・ガール歌わせるの最高すぎる。ハイヒール履いてsssshining star!とファビュラスに歌うビリー・ポーターは完全にローラでキンキーブーツ観たくなったし…とにかくミュオタ的にはこの2人を見るだけでも価値あり。え、この人に歌わせてこの人には歌わせないの?みたいなちょっともったいない配役もあったけども。
アマプラオリジナルミュージカル映画「シンデレラ」見た!豪華出演者がヒット曲を歌いまくる、自宅でBGVとして繰り返し楽しむのにちょうど良い映画という感じ。ストーリーも一捻りあって良い。継母がイディナ、魔法使いがビリー・ポーターなのでミュオタは一見の価値あり。https://t.co/Ae9OGSdZcs
— 桜花 (@oukakreuz) 2021年9月25日
配信サービスオリジナルのミュージカル映画といえばネトフリのプロムが記憶に新しいですが
個人的には映画としての完成度は圧倒的にプロムの方が上。というか原作舞台あるし、曲オリジナルだし、お金もプロムの方がかかっていそう。ただきっちり作り込まれている分、プロムには脚本に色々ともやもやしてしまうところもあったので、最初からあらすじもわかっていて地雷要素のないシンデレラはMVを流すように安心して見られたかも。私の中では「ピッチ・パーフェクト」もそういう映画なのだよね…作品について深く考えるようなことはないけど、シンプルに目と耳で楽しめる感じ。映画館ではなく自宅で配信で見るのがちょうどいいな、と思うミュージカルでした。