Disenchanted(幻滅の)魔法にかけられて2

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今年最も楽しみにしていた配信系の映像作品が2つありまして、1つがディズニー+の「魔法にかけられて2」です。(もう1つはNetflixの「マチルダ」)公開して早速見たんですが、感想は正直…微妙!!!「駄作!許せない!」というほどではないけど、「なんでこれ作ったんだろう…」とは思ってしまった。ということで続編すごく良かったと思っている人、楽しみにしている未見の人はご注意くださいな感想メモです。ネタバレあり。

私は前作「魔法にかけられて」は全ディズニー映画でも上位の大傑作だと思っているんですけども、15年を経ての続編&しかもメインキャストがほぼ続投&アラン・メンケンが新曲書き下ろしということでもう期待値を爆上げしてしまっていたんですよね。1を超えることはなくても並ぶくらい好きな作品になるかもしれない!と…冷静に考えると今までディズニーの続編作品でそんな風に感じたことはなかったのだが

今回の「魔法にかけられて2」は「映画として全然面白くない」という程ではないし、プリンセスが世界の理によって意図せずヴィランズ側になってしまうという展開自体は悪くないんだけど、なんというか…別に「魔法にかけられて」の続編で作る必要を感じなかった。そもそも最近ヴィランズ流行ってるし既視感があるし、「ディセンダント」シリーズとかで良くないですかこの設定。

何より残念だったのは、前作の中で成長したジゼルの良い部分が無かったことにされていたこと。ただの空気読めない夢見がちおばさんになっていたのがショックすぎる。『おとぎの世界のプリンセスが現代アメリカにいたらこんなに浮いちゃうよ』というのは前作の冒頭で一通りやってるのよ。お花畑なジゼルを否定していたロバートがロマンスを受け入れて、ジゼルも現実世界で生きる強さを手に入れて、これからお互いの良い部分を合わせて生きていこうねという素晴らしい現代のおとぎ話だったじゃないですか。ジゼルはそこから10年以上NYで生きてたんだよね?なんで「継娘は反抗期だし郊外に買った家は故障だらけだし辛い!全部おとぎの世界になればいいのに!」なんてアホな願いをかけちゃう短絡的な女になってるの?嘘でしょ?これまでどうやって娘を育ててきたんだ!?人の親としても妙齢の女性としてもちょっと無理すぎて「ジゼルはこんなこと願わないよ!!!」と思ってしまいました。

そもそもNYから郊外に引っ越した理由がチップによるあらすじ紹介でサラッと説明されて終わりなので全然納得できない。親の気まぐれで住み慣れたNYから引き離された上に空気読めないジゼルに振り回される娘・モーガンがとにかく気の毒すぎる。さすがにロバートは父親なんだから味方してやれよ。(ていうか5番街に暮らせてた弁護士なんだから郊外まで行かなくてももっと広い家住めたやろ)ていうか今回のロバート空気すぎませんか?妻に押し切られて郊外に引っ越したけど通勤時間に疲弊、おとぎの世界になっても特に役には立たず…一応元プリンスポジションなのにいいのかそれで…。

ストーリーも結局は「現実が辛いからおとぎの世界になれ〜!って思ったけどおとぎの世界はそれはそれで大変だわ、現実で楽しく暮らせるよね☆」という、n番煎じで…15年経って作られた作品なのに正直脚本は退化しているよ…!2020年代にこれ作った意味がわからない!

と、「前作を好きだった人がこんな作品作るかな??」と思ってしまったくらいなのですが。まあ劇場公開作品じゃないし、配信限定で前作のファンサービス作品なのだと思えば受け入れられる…のか…?いや…うーーーん。

個人的には継娘のモーガンを主役に据えていたらもっと上手くまとまったのでは?と思うんですよね。ジゼルをヒロインにした作品は前作で綺麗に完結していたのだから、おとぎの世界からきた継母に育てられたモーガンが思春期になって、いろいろな不満が爆発して「おとぎの世界になれ!」と願ってしまう…というストーリーなら納得できる。(モーガンは魔法の杖を使えないという設定だけども)やっぱりね、生活の不満ごときで「世界を丸ごと変えてしまいたい」なんて願いを言って許されるのはティーンだけですよ…。実際モーガンが主人公っぽいターンもあったけどなんか影が薄くなってしまっているし、比率が悪かったのではと思うなあ。

ぐちぐち言ってしまったので、良かったと思う部分も。前作キャストたちが勢揃いしているところを見られて嬉しかった。エドワード王子が変わらなさすぎて癒し。ナンシーがアンダレイシアでちゃんと幸せに暮らしているとわかって嬉しい。異世界が結構気軽に行き来できる感じなのも良かった。アナ雪を経たイディナ・メンゼルに今度こそ歌わせるぞという気合が存分に伝わってきた。

いやでもイディナの歌の使い方にも正直思うところはありますよね(笑)Let it goパロディからのShow yourselfパロディとてんこ盛りなシーンさ、曲は良いけどさ、全然そんな歌い上げるような場面じゃなくない!?イディナに歌わせたいだけでしょ!!いや歌って頂けるのはありがたいんですけどね、ええ。あとアンダレイシアの場面が全体的にアニメ映像のクオリティが低くて悲しい。アンダレイシアが滅びるかも!という危機も取ってつけた感があり、2世界を行き来する話ならもっと面白く膨らませそうだし前半からその設定を出してくれていればいいのになと思ったり…。

良かったと思う部分に戻ります。ジゼル役エイミー・アダムスの二重人格の演技は良かった。善意の塊みたいなお顔立ちからヴィランズになっていく様子は楽しい。あとヴィランズVSヴィランズのデュエットも楽しい!敵対する女王様のキャラクター設定があまりにも薄くてそれでいいのかよと思ったが…。(いかんまた悪口になってしまう)手下にgleeのエマ先生、ジェイマ・メイズがいたのも懐かしくて嬉しかったですね。ドレスが完全にシンデレラの継姉たちパロってたのもふふっとなった。

前作からの『いろんなプリンセス作品のパロディシーンを入れる』という部分だけはかなり踏襲されていて、しかし結構わざとらしいというか皮肉な要素が強まっているのもちょっと微妙な気持ちになったなあ。オマージュが潜んでいるというよりはそのパロディをやりたいがために作った場面、という感じがして。

ちょっと文句ばかり言ってしまったけどサントラは聞いてるし、皆さんと久しぶりに会えたのは嬉しかった…たぶん…。どうしても「郊外に引っ越して本当に良いことあった?絶対にNYじゃダメだった?モーガン良い子すぎるから色ボケの両親はちゃんと報いてあげて!?」と思ってしまう話であったが…。複雑!!!

 

続編作品のこと大体がっかりしている気がするな…

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と思ったけどこのあたりの続編は好きだったのよ!↓

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