本と映像もぐもぐ2023/11-12

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年内のうちにささっと印象的だったものの感想メモ。※全てネタバレ配慮なしです!

映画

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

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友人らにダイレクトマーケティングを受け久しぶりに劇場で見た。面白かった!ゲゲゲ前知識はキャラクター情報くらいで、「あの目玉親父が普通に人型だしお岩さんぽかったお母さんは美女設定みたいだし、映画化でビジュアル変えまくってるってこと?」と思ったら、見事にストーリーと整合性が取れていて驚き。本編のストーリー自体は正直、わりとすぐに殺人事件の犯人というかオチがわかってしまって(主人公との関係性やビジュアル的に…)「謎解きパートをそこまで長引かせなくても」という気持ちになってしまったのですが、エンディングに全部持っていかれたよおお。「人外との交流の記憶を消された人間」というピンポイントなツボと「血のつながらない子供を育てる男」萌えにブッ刺さったよおおお。

全編通して水木のキャラクター造形がめちゃくちゃ良かった。随所の戦争体験とオーバーラップさせる演出、「弱者を切り捨てた組織や国なんて知るか、全て利用して強者になってやる」と被害者目線の社畜だったのがゲゲ郎と過ごしたことで「大人として(幽霊族を迫害した人間の末端として)ツケは払わなければならない」と変化するところ。(つまり使い捨ての駒であろうが日本軍の一員というだけで加害者でもあるという構図)うまくできた話だったなあ。メインではないので仕方ないよなーと思いつつ龍賀家の女たちは完全に被害者なのにあれでいいんか、みたいな気持ちにはなる。(次女がアル中な理由とか明らかに…じゃないですか。

あと細かな点で平成オタクの急所を攻めてくる作品でしたね。血染めの桜とかはぐれ陰陽師とかさ…なんで令和になって糸目の石田彰を見てるんだ私は…。とりあえず毎日水木の育児漫画を漁っている。二次創作の供給が潤沢でありがてえ。

ミセスハリス、パリに行く

劇場予告で気になっていたものをPrimeビデオで鑑賞。夫を戦争で亡くした家政婦のハリスがクリスチャン・ディオールのオートクチュールドレスに魅せられてパリへ向かう、という話。ハリスがパリに行くまでの話かと思いきや想像していたより早くパリに行き、現地に長く滞在していた。あの年代のロンドンとパリがおしゃれすぎて、そして当たり前にディオールのドレスやモデルさんたちが美しすぎて眼福。おばあちゃんの夢の話なんだけど、意外にも労働者の権利についての話。ストーリーはあっさりしているので配信でちょうど良かったなと思いつつ、逆に劇場で没入していたらもっと楽しめたかもしれない。

ドラマ

いずれも最終話のターン。

大奥

よかった!!!原作で大感動した津田梅子のラストまでしっかり映像化してくれて胸熱でした。尺はやはり足りない。大河ドラマでやってほしい。

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前半も仲間由紀恵最高よ〜!と思っていたが、後半も後半でストーリーに見合った重厚な役者が揃っていて良かったですねえ。ちゃぴ×ゆんたのエリザベートコンビによる上様×瀧山、神経質そうなおしゃれ番長ゆんた瀧山に天然で絡む福士蒼汰の天璋院、良いキャスティングであった…。心の機微が素晴らしかった岸井ゆきのさんの和宮、原作の嫌なところを煮詰めたような大東駿介さんの慶喜も良い味出してたな。これまでのよしなが大奥実写化も見ているけど、華やかな前半部分の恋愛模様がクローズアップされていて「そうなんだけどこの作品の凄いところはそこだけではなく…!」ともどかしい気持ちになっていたので、歴史物としての大奥をやりきってくれて嬉しい。尺長いverも見たいけど。(まだいう)

昨日なにたべた?

前回の感想で"おじさん2人のほっこり生活ドラマだったシーズン1に比べて、シーズン2はゲイカップルのシビアな現実エッセンスが増えていて、そういう意味では原作に近づいているような。"と書いたけど、原作では比較的さらっと描かれていた養子縁組の話を最終回に持ってきていることでよりその気持ちが深まる。今の世の中に、静かに穏やかに中指立てていたと思います。お馴染みとなったメンバーがわちゃわちゃしていて毎回楽しかった。ジルベールの結婚式エピソードまで実写化続けてくれ〜。

セクシー田中さん

ラストに「原作ではまだない展開だけど、台詞や動き方がすごく原作っぽいな」と思っていたら最終話は脚本を芦原先生が担当されていたとか。納得。「こっち向いてよ向井くん」ほど話題になっていなかった印象なんだけど、田中さんこそいろんな人に見てほしいよ〜!!の気持ち。

そして小西のあまりにも小西なところが良い味出してるドラマだったなあ。実は今年のスリルミー配信を見た時に前田公輝さんの彼が全然しっくりこなかったのだけど、逆に小西はあまりにもハマっていてご本人の素とのリンク度が気になります。

配信・テレビ

PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS

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盛り上がりに盛り上がっていたプデュ、友人宅で解説を受けながら3時間いろいろな動画を見せてもらい、ラスト1週間だけ投票したり生放送見たりゆるく楽しみました。鯖番はいつもデビューメンバーが決まってからパフォーマンス動画の切り抜きを見たりする程度だったので、リアルタイムで誰がデビューするかわからない・ファンダムの熱を体感するのは面白い経験だった。投票したけど圏外だった田中優希さん、会田凛さんを他の機会にまた見られたらいいなあ。「想像以上」のパフォーマンスが良すぎて何回も見てる。

100カメ

ドラマ大奥の美術さんの回と、帝劇SPY×FAMILY回。どちらもとても面白かった。大奥の方はテレビならではの細かな仕事(拡大した時に着物に糸くずがついてる、みたいな理由でカメラを止める)に感嘆しつつ、頻繁に演技を止められても瞬時に役に入らないといけない役者は大変だろうなあと思った。対照的に帝劇回では一度幕が開いたら止められない・ハプニングは板の上にいる全員でカバーするという場面がありそれも面白かった。ていうか当日リハまであんなにハプニングがあるものなんだなー。子役たちの大人びた会話も可愛らしかった。100カメ好きです。

小説

黄色い家

黄色い家

黄色い家

Amazon

熱量がビシビシ伝わってくる小説で、引き込まれて2日くらいで読了。ミステリっぽい進み方のわりに物語として大きな伏線やオチがあるわけではないな…と感じたけど、ぐいぐい読まされる感覚が久しぶりで楽しかった。小説を読んでいるとそこに登場する食べ物を食べたくなることは多いけど、今作では頻繁に登場するカップ麺やコンビニ飯をまったく食べたくなくなってしまい、それも新鮮だったな。

エッセイ

わるい食べもの

美味しいもの、好きな食べ物について綴ったエッセイは数あれど、食をテーマにしてこの捻くれ方はすごい個性だなと思う。幼い頃に苦手だった食べ物やその理由、なんとなく感じていた気持ち悪さみたいなものがリアルすぎるくらいに書かれていて、給食を残した時にいろんな残飯が混ざっていく描写なんてちょっと読みながら気分が悪くなるくらい。こういう毒のある視点で文章が書ける人っていいなあ。子供時代にアフリカに住んでいた人の話ってあまり読んだことがなくて、異文化面でも面白かった。

人文

妾と愛人のフェミニズム: 近・現代の一夫一婦の裏面史

面白かった!これはもうテーマ勝ちという感じ。妾制度などそもそも知らないこともあったし、自分の中で「不倫相手」と「愛人」はなんか言葉のイメージが違っていたりとか、無自覚だったことの答え合わせの連続で楽しい。良妻賢母そのものな祖母が昔「近所にものすごい美人の方がいて、いつもしゃんと着物を着てはった。"お妾さん"やったんよね」とどこか尊敬する響きで話していたのを不思議に感じた記憶があるのだけど、その時代の愛人の立ち位置を知りなるほど〜と腑に落ちたりした。

漫画

うちらきっとズッ友

「今夜すきやきだよ」を読んでそういえば未読だったな〜とこちらを読んだのですが、もう、めちゃくちゃ良くて今更ですが今年読んだ短編集の中で1位です…。TLで読んだ「エマとコトハ」がツボだったのですが本当に全編良かったよおおおおんおん。義母と嫁の話もよかったな…すごいよかった…。

MA・MA・Match

MA・MA・Match - 末次由紀 / 【コミックDAYS読み切り】MA・MA・Match | コミックDAYS

末次由紀の読み切り久しぶりに読んだのですが、上手い〜!本当にスポ根の方だな。私は正直「娘が送迎や観戦が必要なスポーツにハマっちゃったらどうしよう(自分が屋外スポーツ観戦が苦痛でしかないから)」と思っている怠惰な親なのですが、それでも感情移入してぼろぼろ泣いてしまったよ。何かに夢中になって頑張る我が子に伴走できる期間って、きっと人生の中でも一瞬のことで、一生の思い出になるんだろうなあ。それはそれとして"結婚は本当に楽しいです。楽しくなくなったら離れる力がある限りは。"は真理です。焼肉奢りくらいじゃ許せなくない!?!?

きみはペット

最近アプリで「バリキャリ女性が年下の癒し系彼氏と暮らす」漫画をいくつか読んでいまして、「やっぱり原典たるきみペを読まねば」と久しぶりに再読。人生のオールタイムベスト10に入れているくらいこの作品が好きなんです。スミレちゃんとモモはじめ出てくるキャラクター造形も良いし、真面目な中にさらっと入れてくるギャグセンスも好きだし、とにかく小川彌生さんのプロットがお見事なのよ〜。全14巻の中にはそんなにストーリーが動かない、閑話休題回もあるのだけどむしろそういう回こそ短編の伏線回収の上手さに痺れるのです。現代ならアウトだなという表現もあるにはあるのだけど、逆に今読んでも新しさを感じる価値観もある。読んだことない人・なんかドラマの記憶があるかも…くらいの方はぜひ最後まで読んでくれ〜。

11月・12月は2/3くらい体調を崩していたり仕事が真面目に佳境だったりしてあまり小説を読めなかったなー。

今年のエンタメもぐもぐ

あまり多く読んだり見たりできていないけど、定期的に「桜花さんのブログを見て◯◯を読んだ(見た)よ、面白かったよ」と声をかけて貰えることがあって嬉しい。来年も自分のペースで面白いものに出会いたいですね。来年読みたい本リストを作りたいので、いろんな方の年間ベストブログを読むつもり。

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