next to normal(韓国ソウル公演)

大大大好きな作品next to normalが韓国ソウルで再演されるということで駆けつけました。日本で9年ぶり再演に喜んでいたのがもう2年前!

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劇場:BBCHホール

BBCHホールの周辺からフラッグがかかっていてテンション上がる!

韓国は劇場内の装飾やフォトスポットも楽しみのひとつ。

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エレベーターのドアが各キャストのビジュアルになっている〜!

日本の劇場もロングラン公演ではこういう装飾して欲しいな〜(と10年前から言ってるな〜笑)

キャスト

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韓国遠征、後から振り返るときにいつも名前がわからなくなってしまうので検索できるように残しておく…。

ダイアナ:최정원 チェ・ジョンウォン
ダン:이건명 イ・ゴンミョン
ゲイブ:홍기범 ホン・ギボム
ナタリー:이서영 イ・ソヨン(HELLOVENUS)
ヘンリー:최재웅 チェ・ジェウン
ドクター:박인배 パク・インベ

調べていて初めて知ったけど、ナタリー役のソヨンさんは女子アイドルグループの方なんだね!?上手すぎてびっくりした。そしてヘンリーのジェウンさんはスリルミーで観たことあったかも?

感想

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まずはなによりこの3階建てセット!!!旧演出を観るのが11年ぶりでずっと感動していた。このダイアナの精神の檻のような無機質なセット、高い位置に見えるバンドメンバー、中幕の代わりのように左右に動く2段目の板、ビッカビカの電飾に青〜紫〜赤の色変化が伝わりやすいホリ!これぞN2Nよ!!本当に大好きだ〜!!!新演出のより家っぽくなって盆が回る演出も好きだけど、旧演出を見るとやっぱりこれが完璧に計算されて完成したセットだ…と思う。好きすぎる。

日本の再演を観た際に「初演はこうだったような…?」と感じていたところ、あれこれの補完ができた。(ダンの求婚を思い出すシーン、服装や帽子もあそこまでヘンリーに寄せていたっけ/ナタリーが薬に手を出すシーン、やはりゲイブがバッグを目の前に落としていた/There's a worldでダイアナの手首にスポットライト当たるの気付いてなかった)

あと記憶よりゲイブが家族全員に干渉しているな〜という印象で、やはり初演時は自分がゲイブの存在自体にこだわりすぎていたなーと気付けた。母と息子の話ではなくて、母と娘(と父)の話、それを浮かび上がらせるための息子という装置なんだな。彼は最初からそこにいるけど、いない。

ジョンウォンさんがいい感じにくたびれていて、ユーモアもあって王道にオリジナルのダイアナに沿っている感じがする。若々しすぎない、一般的な"お母さん"が息子の幻影に何度も手を伸ばす様子が切ない。ソヨンさんがすごくパワフルで跳ねっ返りなナタリーで(繊細<<天才肌なイメージ)2人がぶつかり合うところが常にエネルギッシュなのが新鮮だった。ただ最後に「ナタリー!」と叫んで救いを求めるところが、韓国の親子関係を鑑みるとちょっと重く感じるというか、"親から逃れられない娘"を日本以上に感じてしまったかも。

ゴンミョンさんのダンが自分的にかなり理想!!!まず歌が、声が素晴らしく響く〜ずっと耳が幸せだった。で、誰から見ても理解ある理想の夫なのに何もわかってねえ〜〜ナタリーのこと何も見てないしダイアナのそばに居続けたのも本当に"promise"があったからなんだなと伝わってくるのが…。すっっごく良いダンだった。でも愛はあるんだよね。ラストのゲイブと抱き合うところ、抱きしめられるというよりしっかり抱き合っているのが印象的でこれから良い方向にいってほしい…。ギボムさんのゲイブも後半になればなるほど鬼気迫る演技で、I'm Aliveリプライズからダンの前に現れるまでずっと鳥肌が立っていたよ。

ていうか韓国ミュージカル観るたびに同じことを言っていますが全員歌がうまくて声量があって、どの組み合わせでデュエットを聴いても美しいのが幸せ!!私はYou don't knoe/I Am the ONEのトリオとWhy stay?/promiseの男女4声がめちゃくちゃ大好きなのであの2場面だけで「来た甲斐があった…」と感動しました。うう。別キャストの解釈も見たいな〜カメラ入っていたので配信あればいいなと期待している。というか今回、公式YouTubeがMV的なのや舞台裏動画を公開してくれていてそれもワクワク感を高めてくれて嬉しかった。日本のカンパニーもぜひ略

 

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エンタメもぐもぐ2024/3

3月に見た・読んだ印象的だったものたち。

死にプロに大ハマりしなろうの海へ

漫画や小説というカテゴリも超えて、3月の最大トピックはこれ。死にプロこと「死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)」というなろう発作品に大ハマりしていたのだけど

自分でも「なぜ今??こんなハマり方を????」と謎の転がり落ち方だった。というのも、この漫画自体は昨年秋に読んでいて、すごく面白かったし続きが楽しみ!と言っていたし、給料日ラジオイベントで提出した「昨年読んで良かった作品トップ5」にも入れていたくらいなのだ。

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この時は「続きが楽しみな作品ができて嬉しいな」くらいのテンションだったのに…3月に新刊を読んだらどうしても原作を読むのを我慢できなくなってしまい、一晩でなろうにある200話以上の原作を読了→書き下ろし読みたさに単行本もポチって読み、その後2週間くらい毎日小説と漫画を読み返しキャラクターイメージの香水をポチるというオタクムーブまでしてしまった。え???自分自身に混乱してるよ。なろう作品のコミカライズはいくつか読んだことがあるけど、もちろんここまでハマったことはない。この気持ちは何…?となって夜な夜な10作品ほど同ジャンルなろう作品も読んでちょっとグロッキーになった。暇なのか?寝不足になって学びましたが、私はとにかく死にプロのコミカライズの仕方がツボなのだわ…絵の美しさはもちろんだけど再構成とコマ割りが本当に上手い。原作を読みながら脳内コミカライズしてしまう。まだ原作の半分もいっていない!あのシーンもあのシーンもこれから見られるんですね!?というのが楽しみすぎて生きる希望です。はあはあ。久しぶりに自分の2次元オタク細胞が活性化してHAPPY…。

はい。通常モードに戻ります。

舞台

カムフロムアウェイ

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映画

ユンヒへ

公開時に気になっていた「ユンヒへ」アマプラに来ていたので見られた!めちゃくちゃ好きだった…映画館で見たかった!

韓国で暮らすシングルマザーのユンヒと彼女の元恋人であるジュン。ユンヒの娘であり母の手紙を盗み見てジュンのいる小樽への旅を仕組む高校生の娘セボム。ジュンと暮らすマサコ伯母さん。全員の演技が素晴らしく良かった。手紙を通じて2人の過去が想像はできるけど詳らかにはされないのも、良い。クィアということで白い目で見られたにしても、かたや独身で獣医になっているジュンと、かたや兄しか大学に行かせてもらえず現在も豊かな暮らしをしていないユンヒ…というところには心が痛んだ。この2人は10年前ではこんな穏やかな再会はできなかったんじゃないかな。20年経って、身近な人たちのお節介で短時間、お互いの無事を確認できたくらいでちょうど良い。ユンヒが娘に好きなだけ勉強をさせるつもり、自分も夢を思い出した、という手紙(ジュンにはきっと出されない)で終わる余韻がすごくすごく良くて夢に出てきた。

ドラマ

最終話シーズン!

Eye love you

終わってしまったなーー。ロスです。ふとした時に脳内で「もういちっどさ〜♪」とOmoinotakeが歌い出している。正直ドラマとしての面白さは6話(北海道回)がピークだったなあと思っており、カップルになってからは惰性で書いてませんか?と脚本へのツッコミも増えていたのだが…最終話のラスト15分が幸せだったのでオッケーです。にしても最終話はツッコミ満載だった。意味のない事故フラグ!退職願を郵送で提出すな!侑里さんはなぜいきなり荷造りして走っていたんだ!これまでの絵本の匂わせはなんだったんだ!ていうか花岡を便利扱いしすぎしっかり幸せにしてくれ!

ハマっている友人達と毎週やいやい言いながら見るのも楽しかったです。聖地巡礼予定があるので楽しみ。

婚活1000本ノック

なんだかんだで完走してしまったわ…。山田の成長物語だったんだなーという印象。よくよく考えると主人公は面食いなのと物書き特有の意地悪な目線はあるものの別に嫌な女ではなく、よくある婚活モノのようにすごく理想が高かったり相手を見下したりはしていなかったので、ずっと嫌な気持ちにならずに見られた。婚活を通じた成長というよりは、お互いに人間性を見られるようになった山田との友情がアツかったな。

不適切にもほどがある!

評判がV字回復していたので最終話だけ復帰した。うーーーん、1話を見た時は皮肉が効いていて良い!と思ったけど、結果的にこのドラマにおいてミュージカルシーンは不要だったのでは?と感じたな。なんか茶化している感じが補強されてしまったというか。このテーマで「寛容になりましょう」という決着はどうなんだろう。現実社会では寛容にならざるを得ない側は偏っているのに。でもタイムトラベル・タイムパラドクスのオチの付け方はお見事だったし、タイムトラベルしてきた渚と純子が母娘の会話をするところはぐっときた。役者ももちろん満点だった。私の中の歴代クドカンドラマランキングではワーストに近いところにいますが、次に期待…。

他テレビ・配信

アナザー・スカイ田中みな実回

田中みな実がベルナシオン本店に行っているよと聞いて、へえフランス回なんだと思ったらスペイン回で笑った。写真集の撮影ロケ地を巡る旅なのに全然関係ない。スペインまで来たからリヨンにも寄る!ってそれは完全にオタクの思考なんよ。好きです。でも実際ベルナシオンの工房を映像で見せて頂けて嬉しかった!写真集の話も面白かったしスペイン行きたくなる〜。

Sexy Zoneオンラインライブ

セクゾとして最後のライブをオンラインで視聴。私の周囲にはコアなセクラバさんが何人もいて、自分はライブに一度行ったことがあるだけだけど勝手に身近に感じているので(TLのサブリミナル効果は侮れない)本当にこれで終わりなんだなあ…と寂しく思いながら見ました。ケンティが抜けるなんて思ってもみなかった。ただ予想していたより「ケンティ卒業式」<「5人がセクゾから卒業する」という建て付けで、爽やかな終わりだった。というかこんな時にも再登場できるマリウスすごいな〜。最後のふまけんが濃厚すぎて、ファンでない自分も「これがシンメか…」と唸りました。「本当に嫌いだった時も好きだった時も全部が青春だったと思う」語り継がれそう。

小説

腹を空かせた勇者ども

先月「アタラクシア」が金原作品ベストかも!と書いていたが、別ベクトルでこっちがベストかも!爽快!続編読みたい!金原ひとみは陽キャの気持ちもわかるんだ、という驚き。こう、落ちに落ちても絶望しないというか、友達が転校しちゃったらもう学校つまんない→いや友達いっぱいいるしつまんないことはないか、でもさびしいなーみたいな、陰キャから見ると「何も考えていないな、情緒がないな、残酷だな」と思うような部分、陽キャは陽キャなりに考えてるんだなというリアルさがすごい。

いつもの金原作品に出てくる、厭世的だが出産することで生まれ変わった気持ちでいる女、の娘側がちゃんと人生楽しんでるのを感じられて安心した。ただここでも不倫が出てきて、やっぱり金原作品の女性に恋愛は必要なんだなあ、そこだけは分かり合えなくて面白いなーと感じる。

オーラの発表会

偶然なんだけど金原ひとみと綿矢りさを同時に読みがち…。

キャラクター造形やストーリーだけを追うと「自覚のない美少女と長年彼女のことが好きなお金持ちの幼馴染・イケメンの年上のお兄さん」という少女漫画なのに、恋に悩むあまり新興宗教の教祖になりそうな展開にブレかけるのが綿矢りさである。面白い。ちゃんと恋愛ものとして終わったので逆にびっくりした。人のコピーが上手い友人の描写が面白かった。装丁がキラキラで可愛いです。

漫画

吉祥寺少年歌劇

宝塚をモチーフにした創作作品はたくさんあるけど、男性ver設定はわりと苦手な私。こちらを読んでみて、なるほど上手くできているな〜、同時期連載の「かげきしょうじょ!」よりむしろ宝塚のエキスを抽出しているような気までした。現時点でキャラクターに強烈な魅力を感じないのだけど、どういう独自展開になるのか気になる。

スキップとローファー

アプリで追っているけど単行本も買う。風上くん!花園先生!「青春がむしゃらにやってる登場人物達の横でクールに構えているようなキャラ」の闇が見える展開に弱い。風上くん、京都でのびのびやって欲しいよー!いつも思うけどスキローに出てくる高校生達は物分かりがよく、揉め事も起こさず令和の子だな。もちろん偏差値の高い学校であるという前提はあるけど、同じ設定であるカレカノとの質感の違いとして。

雑誌

文春WOMAN 創刊5周年記念号 はじめての夫婦対談 内田也哉子が聞く、本木雅弘「婿の言い分」

友人に「内田也哉子ともっくんの対談がやばいから読んで」と勧められて読んだ。やばかった。2人の出会いから結婚に至るまでのエピソードひとつひとつが平成初期の少女漫画じゃん!!一条ゆかりの世界じゃん!!とときめきが止まらなかったし、内田さんはともかく本木さんは俳優としての姿しか知らなかったので、こんなに面白い人だと思っていなかった。こんなことを考えていた2人が一緒に家庭運営して育児して人間を育て上げたというのもすごく興味深い。夫婦って十人十色で面白いなあ。

 

あとは家・インテリア関係の本や雑誌をたくさん読んでいます。いずれまとめようかな〜。

最近のエンタメもぐもぐ

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"ここにいる私"が問われ続ける カムフロムアウェイ

日生劇場「カムフロムアウェイ」日本初演を観てきたので感想です。

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9.11テロが起きた時、アメリカが空域を封鎖したためカナダのガンダー国際空港に着陸するよう命じられた38機の飛行機に乗っていた7000人以上の乗客、そして人口と同じだけの異邦人(カムフロムアウェイ)を受け入れることになった現地の人々の1週間を描いた群像劇。

ロビーには「真実のものがたり」として実際に起きたことが時系列にまとめられているパネルが。観劇前に知識として入れておけてよかった。

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牧歌的な、木と椅子によるセット。中央の折れた2本はワールドトレードセンターを象徴しているそう。

作品について

12人の役者がひっきりなしに違う人物を演じ喋り続け、幕間なしの100分。役者も観客も一瞬も息が途切れずすごく集中している空間に終演後には疲労感も。とにかく、凄いものを見た。

実話がベースだけあって、人々の行動や心の動きのひとつひとつがとてもリアルだった。非常時にあらわれる多様性と偏見に対しどう一致団結して乗り越えるか。アメリカという国に常に付き纏う問題を題材としている戯曲で、なるほどこれは911から20年経ってもアメリカ人に受ける作品だろうと納得した。

「そこにあなたはいます/私はここにいます」という歌詞が繰り返される。ガンダーに着いて何時間も飛行機に拘束されて長時間の移動を経てやっとテレビを見て事態を知り呆然とする客たち。「自分たちがどこにいるかよくわからないけど、あそこにいないことだけはわかった」あの被害者はもしかしたら自分だったのかもしれないとか、そうでなかったことを素直に喜ぶこともできないほど衝撃的だった映像を、観客の私たちも思い出す。私も覚えている。ニュースを見たとき最初は映画を見ているのかと思った。NYで育った母が信じられない、と言って泣いていた。今ほどインターネットは身近でなくて、長い間いろんな人の安否がわからないことが報道されていた。ガンダーでも、乗客が最も欲しがったのは服でも食料でもなく電話だった。

(現代的な話だけど20年前なんだよなあ、を随所で感じた。「キューティーブロンド、ドクタードリトル2、タイタニック」の並びの懐かしさよ!あああの頃ね、がすぐ浮かぶ。)

7000人もいたらそれはもういろんな人がいて、トータル何人が演じられているんだろう?乗客全員に違う人生があって、それぞれの理由で飛行機に乗っていて、でも同じ理由で足止めされてこの地に降ろされた。そこに居合わせただけの人々が考えていることなんて全くバラバラで、でもニュース映像を見ていた時のように時々すっとひとつになる瞬間もある。1週間を経てすっかり馴染んでる人もいれば当然ながら最後までずっと抵抗感があってとにかく早く帰りたい人もいる。笑えるコメディシーンがふんだんに詰まっていてケルトっぽい音楽も軽快で、明るいお芝居ではあるのだけど、物語のベースに横たわる9.11という事件、失われたあまりにも大きなものがあって、ハートフルな話とは受け止めきれない。

ただ、ガンダーを離れる時に奨学金を集めようと言いみんながカンパをするところは感動したし、10年後の同窓会はとっても楽しかったので、観劇後の心は爽やか。あのラストのインタビューシーンだけもう一度見たい。カナダを離れてはい終わりじゃなくて、アメリカに帰国した後の話があるのが誠実で良い作品だなあと思った。それぞれの911との向き合い方、良くも悪くもみんなが人生を変えるきっかけとなってることが伝わる。

言葉が通じず警戒する乗客に対してガンダーの市民が聖書の「思い煩うことなかれ」の番号を指して気持ちを伝える。神の教えを通じて意思を通わせるシーンがある一方で、エジプト系やイスラム教徒の乗客が執拗な身体チェックを受け、他の乗客たちからもテロリストの一味ではないかと酷い言葉をかけられるシーンもある。911後に世界で起きたヘイトクライムのことを考えると心が重くなる。教会で様々な宗教の祈りが重なる”Prayer”がとても美しくて涙が出たのだけど、これは「どの宗教かは別として、祈る神がいることが前提」の国の話だ、と感じた。

またあらゆる曲の中で「自分じゃないみたい/私は誰/知らない別人になったようでも誰?」と繰り返し、あなたは誰なのか、自分は誰なのか、それは何を根拠としていたのか?と問い続ける。乗客にとってもガンダーの人たちにとってもアイデンティティを強く意識する時間だったろうし、観ている観客にとってもそうだった。別れ際、乗客に感謝されたガンダーの人々は「同じ立場になったら、あなたも同じことをしたでしょう」と返す。本当に?私も見知らぬ異邦人を家に泊め不眠不休で働くことができるだろうか?離れた場所にいる私は?困っている人の存在を認識して、何かしてきただろうか?アフタートークで咲妃みゆさんが「常に"あなたならどうする"を問いかけ続ける作品です」と仰っていて、まさしく。

日本版について

日本版はキャストが全員日本人であることから、原作のもつ多様性のメッセージはかなり薄まってしまっているのだろうけど、「有事の際の緊急対応」というピンポイントに日本人に刺さる設定が身近に感じさせているように思う。日本の場合は天災だけど、テレビで被害を見て絶句したこと、自分がそこにいなかったことを良かったなどとは言えない複雑な気持ち、被災地に少しでも何か協力できた時のほっとする心地、みんな覚えがあると思う。これはきっと日本版では意図が正しく伝わっていない(私が受け取れていない)のだろうなー、と思うセリフ・主にギャグや皮肉は結構あったのだけど、そこはさして問題ではないだろうと感じるくらい大事なメッセージは響く作品になっていたと思う。

で、それを実現したのはキャストの力は大きいなと思っていて。アフタートークで加藤さんが「ミュージカル界のアベンジャーズが集結した…」と仰っていたけど、まさにアベンジャーズ!よくもまあこんなに主役級キャストばかり集めてスケジュール確保できたね、って感じなんですけども。

「明確な主人公は不在の、名も無い人々の群像劇」なわけだから、本来は本国のようにオーディションで無名の(というか、その人だけをオペラグラスで追うようなファンのいない)人たちを集めるのが正しい作品なのだと思う。けれどシンプルに、この大量の登場人物たちを、誰も浮かせずに同レベルで演じ分けられる役者を12人揃えようとしたらこのスターたちになってしまうんだと思う。ガンダーで迎える人たちと飛行機の乗客たち(しかもいろんな乗客を同時に)の演じ分けもさることながら、あのくるくる動き回りながら全てのタイミングがピタッとハマる舞台転換も完全に達人芸。そして大スターたちがふっと気配を消す瞬間に「ここまでオーラ消せるんだ!これが演技力か!」と感動したよ。あと作品のテーマ的にもネームバリューのある人を集めないと興行収入的に難しかっただろうなと思うし、台詞がとにかく多い芝居なので個人的には顔がわかる役者だからついていけたかなというのも、正直ある…。

全員が全員、本当に上手いし印象的で(当たり前といえば当たり前)誰がどうというのは難しいが…演じる幅でいうと特にまりおさんにすご!と思った。暗い役もぶっ飛び面白キャラも、もはやなんでもできるよねまりお。浦井くんとの並びがなぜか懐かしさを感じる。それから咲妃みゆさんの存在感。あの濃いキャラクターたちに囲まれても目立てるのすごい。キャスター役のフレッシュな必死さ、そして動物さんが可愛すぎた。シルビア姐さんも濱田めぐみ・安蘭けい・柚希礼音・森公美子という濃厚な女たちの中で良い意味での普通さが際立っていて良かったな。安蘭けいさんダイアン×禅さんニックのロマンスはこの舞台で一番の清涼剤で、お二人ともかわいくて…このお二人でラブコメ見られるなんて〜嬉しいよ〜"Stop the World"の演出大好き。柚希礼音さんのガンダーの教師ビューラ役は隠しきれない関西弁がめっちゃ良かった(笑)いるよあんな先生。最後まで馴染めなかったハンナとの友情が良い。さとしさんはMR!に続いて「さとしさんはこういう役で見たいんですわ」が詰まっていて良かったね…。あと役として全体的においしかったのは加藤和樹さんで、財布を盗られたらどうしようと警戒していた彼の役がすごく良かった。帰国後に「ここよりずっと良い場所だった」というのも、10年後の町長とのやりとりも。もちろんパイロット役もいつもの加藤和樹のようで良かった。

細かい「ここ良かった」はいっぱい出てくるし観るたびに新たな発見もありそうだな、と思うけど、個人的には短期間にリピートするにはこちらのカロリーも削られる作品なので一度観られただけで満足かな。いつか本国版はきちんと観たい。そして普段はあまり人に舞台作品をお勧めしないタイプなのだけど、今回は友人にも「ぜひ観てみて」と勧めている。

あと題材は違うものの、小説「フィフティ・ピープル」を思い出したので読み直してる。カムフロムアウェイも小説で読みたい感じの話だな、個人的には。

エンタメもぐもぐ2024/2

2月に読んだ本、見た映像作品など。人生の一大イベントが起きたり旅行したりでうるう年なのに例年以上に短く感じた2月だった。

コンサート

海宝直人コンサート アテンション・プリーズ!2

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映画

カラー・パープル

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The Strange Thing About the Johnsons

Xで流れてきた、アリ・アスター監督の卒業制作作品である短編映画。ホラーが無理すぎる私はアリ・アスター監督作品は絶対に直視できないのだけど、これはかなり好きな映画だった!ストーリーが好きとかではなく、よくこんなえげつないもの作るな…とは思うのだけど、ホラーの種類としてはそこまで苦手ではない。スプラッタ描写もこれくらいならいける。そして見た後に長時間じわじわと思い返すのが楽しい作品というか…。「父親が実の娘を犯す」or「息子が実の母親を犯す」作品だったらこうはなってないよな、「息子が実の父親を犯す」という話だからこの味が出ているんだよな。。エンディングが妙に明るい曲調だったり謎のユーモアがあるところも面白かったな。

あと30分くらいの短編映画って今の生活で集中して見るのにちょうど良い!と気付いた。もっと短編見たいかも。

ドラマ

Eye Love You

はい!!!!大ハマりしてます!!!!今月はずっとアイラブユーの話をしている!!!!話したすぎて友人2人と実況スペースもした!!!

超能力持ち!歳下韓国男子!ウーバー配達員との恋!かと思いきやオフィスラブ!盛り盛りの設定過多だがそれが良い。ときめきが上回ってツッコミすら生まれない。ぶっとび設定はあるものの「相手の心が読めてしまう故に人との関わりを避けている主人公」が相手が外国人だから心の声がわからず恋できるとか、2人とも環境への想いが似ているとか、人物描写がかなり丁寧なので入っていきやすいのが良い。オープニングのスローモーションからイラスト調になるところまで韓国ドラマぽくて楽しい。

そしてそして、花岡さんよ〜!!当て馬大好きクラブのわたくし、歴代かなり上位の当て馬だと思います。後出しジャンケンがあんな格好良い男いる!?もう6話が神回すぎて泣いたよ。最終回だよ。まだ楽しめるのが嬉しいし本当の最終回が来るのが寂しい。うううずっと見たいよ二階堂ふみ分裂して両方とくっついてほしいよ!!!

はあアイラブユーのおかげで毎週楽しい。番宣用のメイキング写真なども保存しているハマりよう。ていうか舞台がチョコレート会社&道東で私得すぎませんか??次の帰省で霧多布岬行こかな。

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正直不動産1

人生の一大イベントに乗じて家ネタが盛り上がっておりまして…同人誌も出すことになったんですけど…その流れでドラマウォッチャー明日菜子ちゃんにおすすめされた「正直不動産」シーズン1を見た。2も見よ。NHKっぽい、真っ直ぐで後味の良いドラマ。あと物件の金額にリアリティがあってよいです。山Pも市原隼人もめっちゃ役合ってる〜と思う。

他ドラマ

ふてほどは脱落してしまった…!クドカンだからきっとどこかでどんでん返しがあるはず!と期待していたけど、シンプルに「次も見たい」と思う面白さも足りなかった。。うーん悲しい。最終話めっちゃ良かった!とか評判が良かったらまた見るかも。

婚活1000本ノックは作業中に流すのにちょうどよくて継続中。「光る君へ」も見てます。

小説

月まで行こう

韓国で厳しい生活を送る会社員3人が仮想通貨にハマっていく…という話。面白かった!3人がどんどん仮想通貨にのめり込んでいく過程に勢いがあって、「これは絶対に痛い目を見るやつだ」とハラハラしていたのだけど、良い終わり方だった。苦労している女性が女同士で協力して一発逆転する話、て意外とあんまりなくて爽快感があるなと思った。あと主人公のタヘが会社員を続けるという選択をするのもとても良い。仕事で楽しいと思うところ、人にうんざりするところの描写がとてもリアルでお仕事小説としても共感できて楽しかったな。

八重歯が見たい

今のところ著作を全て読んでいるチョン・セランの新刊。小説家であるジェファは著作の中で何度も元彼ヨンギを殺している。ある日、ヨンギの体には小説内の自分が死んだ場面の文字が浮かび上がるようになり…というチョン・セランワールド前回のSF×スリラー×ロマンス小説。ジェファの作中小説がひとつひとつが面白くて、よくその設定思いつくなあ…と感心しきり。肝心のジェファとヨンギのロマンスについては、えええそういう話だったの?と驚きはしつつ、他の作品と比べてそんなに好みではなかったかなー。

アタラクシア

好き!!!!現時点でマイベスト金原ひとみ。金原さんってテーマとしてはずっと同じものを書いている印象。他人との距離感が掴めない、超美人ではないけど猛烈に誰かのツボにハマる女とか、男と真に分かり合うことへの絶望的な諦め(燃え上がる恋はできるのに)、フランスと日本、"母"になることで決定的に人間が変わること。いつも自伝的なキャラクターが出てくるけど、その真反対のキャラクターも「実際に感じたことがない感情をここまでリアルに描けるものなの?」と思う。アタラクシアは各話の語りも、全体を通しての伏線と時系列を行き来する形もすごく面白かったし金原作品の中でも読後感良い(私の基準では)!

漫画

プリンセスメゾン

家ネタの盛り上がりで再読。はあーーやっぱり良い漫画!!5年前に書いた感想ブログ↓

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カットオーバー・クライテリア

ツボだったBL作品を紹介するのって自分の性癖公開してる感じで超恥ずかしいんですけど、超ツボでした。めっちゃ好き。つーか仕事内容をしっかり描いてくれるお仕事漫画が大好きなんだよな私は…。大麦こあらさんハマってしまって他作品も買いました…読むの楽しみ…。

能美先輩の弁明

はいちなみに先にビビッと来たのはこっち。TLに流れてきた試し読みが好みで買ってしまうあるある。こういう男も好きです、はい…恥ず…。

 

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目を背けたくなる過酷さ…だが見て良かった「カラー・パープル」

映画「カラー・パープル」を見たので感想。最近滅多に映画館に行かなくなってきたけど、ミュージカル映画だけは良い音響で見たい&売上に貢献したい気持ちでできるだけ初週に行っております…。

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カラー・パープルはトニー賞授賞式でタイトルを知っていた程度で、スピルバーグ版の映画は未見、原作小説も未読。生き別れになった黒人の姉妹の話…とだけ把握していたのでポスターを見て3人姉妹なのかなーと思っていたくらい(ここは姉妹じゃなかった)。なので冒頭からあまりにもあまりな境遇に衝撃を受けて、長く苦しい前半パートは全ての展開に新鮮に驚き怒り悲しんでしまった。こ、心が疲れた…。

以下ネタバレあります。

優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。

公式のあらすじがこれ↑なのだが、「嘘はついていないが、そんな言葉に要約していいのか!?」と思うくらい実態がひどい。

冒頭、仲の良い姉妹は父親に怒鳴られ店でこき使われながら優しかった母の思い出に浸っている。よく見ると姉のセリーは妊娠しており、それを街の人々も「名前は決めたの?」と聞いたりして受け入れている様子。夫の姿は見えないし、10代前半で父親のわからない子を妊娠しているからこんなに父親からの扱いがひどいのか…?と思いきや、お腹の子の父は彼女の父親であること、しかも過去にも1人産んでいることが匂わされる。いやいやいやいや父親、モラハラどころじゃない。最低最悪の犯罪者だ。妹や周りはどこまで把握してるんだ?毎週教会に通っているっぽいがそのあたりどうなってるんだ?

妹ネティと生き別れになった理由も、セリーが端金で売られて結婚し、代わりに父親から性的虐待を受けそうになったネティが姉の婚家を頼りに逃げてくるが、セリーの夫にレイプされそうになり抵抗したところ銃で発砲されて命からがら逃げて行方不明になってしまう(その後送られてきた手紙も全て夫が握りつぶしていたため生死不明)という経緯である。

なんかもうこの時点で辛すぎて、貧しさや不運というより明確に2人の加害者がいるじゃん、こいつらが死ねよの気持ちが強くなりすぎてしまって、後半の解放と受容のターンに入っても「私が代わりに復讐したい!」と思ってしまった。「赦す」ことがなによりも尊くて、それができる人間こそ幸せな最期(や死後の安寧)を得ることができる…というのは不遇の主人公の物語でよく見るし、これが神の教えなんだよなと頭では理解するのだけど感覚的に「やっぱわからん」となってしまうのでした。魂のステージが違いすぎる。

そんなひたすら目を覆うような暴力と絶望から始まる映画で、とても良かったのがネティのキャラクター造形だった。ネティはよくいる「不幸な境遇でも前向きな気持ちを忘れずひたすら努力する」ポジティブな主人公ではなくて、「理不尽な扱いを受けることに慣れすぎていると、暴力に抵抗するどころか、逃げようと思うことすらできない」ということが伝わってくる、あまりにもリアルな、絶望しきった女性なのだった。見ているこちらが「こいつら殺してやりたい」と思えるのは、自分が尊重されるべき存在だと感じたことがあるからなのだ、そんな瞬間などなかった黒人女性がたくさんいるのだ…と気付く。

そして彼女が徐々に怒りの感情を、自尊心を取り戻していくきっかけが、ソフィアとシュグという2人の女性との出会い、特に歌手シュグとのクィアロマンスであるということも非常に良い。(これ、原作小説の書かれた時代を考えるとなかなか挑戦的だったのでは?と想像するのですが…)ソフィアは生さぬ仲である息子の嫁、シュグは暴力夫の元恋人で浮気相手という、「女の敵は女」文脈になりそうな関係性なのだけど、セリーがエンパワメントされていくのがとても自然なのだ。セリーが反撃に出る瞬間(家族での食卓)にこの2人が立ち会っているのがとても良くて。唯一、シュグとのロマンスはキスシーンになって初めて「えっそういうラブだったの!?」とちょっと唐突さを感じたので、もっと性的にも惹かれているフラグがあれば良いのにと思ったり…でもシュグの結婚への感情とか一緒についてきた女性の設定とか、映画では端折ってたけどきっと原作では細かくいろいろと描かれているんだろうな〜と感じた。

セリーが"I'm Here"で「私は美しい」と歌う時のカタルシスがたまらなく涙が出た。彼女が抱えてきたものはコンプレックスなんて言葉では足りなくて、本当に人間以下のような扱いを受けてきたのに、この状態まで自分を認められるようになった。自分の意思で暴力から逃げて、手に職を得て経済的に自立できたこと…の凄さ。とにかく本人が偉いよ!!と思うが、ここで神に感謝して周りを赦せる人間だからなんですよね、はい。(やはり微妙に納得いかない)(だって父親はきっと何も反省せずに死んだし、夫も順当な報いを受けてないよ)

ただ、男尊女卑の世界でガンガン自己主張できるイレギュラーな存在だったソフィアが白人の女性の機嫌を損ねたことで6年も収容所に入り人格が変わってしまったくだり(それ以外でほとんど白人が登場しなかったのも、上手い演出だな…と感じた)や度重なる災害で畑が豊かな土地ではないことなど、あの時代の黒人社会全体が抑圧されていることは描写されていて、弱い者はより弱い者に加害してしまうのだな…というのは理解した。それでもセリーの父親や夫のような男はあの時代においても異常者であったと思いたいが。

ミュージカルシーンは明るい気持ちで見られるところはとても少ないのだけど、ブラック・ミュージカルのパワフルさ、ダイナミックなダンスが多くてよかった。リプライズの使い方はそんなに好みでなかったので、舞台で観てそこまで好みかはわからないな〜という感じ。舞台から続投らしい、主要な女優たちがとにかく良かったです。特にソフィア役のダニエル・ブルックスは素晴らしかった。あとスピルバーグ版の主演であるウーピー・ゴールドバーグがかなり冒頭で出てきた時は笑ってしまった。目立つなあ。ちなみにBWのシャグ役はジェニファー・ハドソンだったらしくとっても納得!映像と年齢設定違いそうでそれも気になる。

妹ネティが宣教師と共にアフリカに渡っている間の話だったり、最後の再会時に増えている登場人物だったり、「原作にはいろいろ書いてあるのだろう」と想像できて(文学原作あるある)また私がいかに黒人の歴史について無知であるかひしひしと感じたので、いつかちゃんと読みたいなと思った。しかし前半の苦境は文字で読む方がえぐられそうなので、心が耐えられそうになったら…。

エンドロールが民族文化であるキルトの柄であらすじを辿る映像になっていて、それもとても良かったな。ミュージカル映画としてというより、知るべきものに少しでも触れられて良かった、という感じの鑑賞でした。

 

ミュージカル映画感想

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海宝直人コンサートAttention Please!2 アテプリ搭乗してきた

海宝直人くんのコンサート、アテプリ2に行ってきた!楽しかった〜!!ミュージカル俳優のコンサートに求めているもの全てが詰まっていましたわ…。

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私が参加したのはUSA航路、山寺宏一さんゲストの回。セトリメモしつつ感想残しておく!

Live in living color(キャッチミーイフユーキャン)

世界の頂上で〜奇跡求めて(ノートルダムの鐘)

ポスターを見た時からキャッチミーぽいなと思っていたら1曲目でなんか嬉しい。

エメラルドシティ〜魔法使いと私〜人生を踊り明かせ

ああああああウィキッドメドレー!!!!魔法使いと私の伸びも素晴らしかったんですけどフィエロ!!!フィエロが!!!!海宝フィエロにガチ恋して劇場に通い詰めた記憶(存在しない)が蘇ったよ…あの1曲だけで海宝フィエロの役作りが見えたよ…ああああ全編観たい!!!私は李フィエロの亡霊なんだけどもう一瞬で海宝フィエロも加わってしまった〜あ〜〜。クルーの方によるエメラルドシティも、エルファバとグリンダパートが固定じゃないのが新鮮で楽しかった。

ゲストソロ

フレンド・ライク・ミー

これを聴きたくて山寺さんゲスト日を選んだわけですが…すんごかった。テレビで歌ってるのを見た時も「これ編集じゃなくて通しで歌えるんだ!?」と驚いたけど、目の前でマイク持って歌ってるのを見て本当に感動した。当たり前なんだけど本物のジーニーだった!!!そしてあのテンポと早口でも全く乱れない声と息。すごいなーーレジェンドだなーー。ディズニーファンとして人生で一度見ておけてよかった生パフォーマンスだった。

Cry for me(ジャージーボーイズ)

-空港停電-

Tomorrow(アニー)

You can't stop the beat(ヘアスプレー)

So Close(魔法にかけられて)

Light(Next to Normal)

アテプリ1を見ていなかったので、前回どういった背景でこのコンサートが開催されたのかを知らなかったのだけど、海宝さんのMCとTomorrow、Lightで「すごく祈りの込められたコンサートなんだな…」と伝わってきてぼろぼろ泣いた。明日がくる、光はまた灯される。2の制作期間中には想像していなかったことがほとんどだけど、前を向く力を必要としている人がとても多い今。全国でいろんな理由で辛い状況にあるミュージカルファンの方、配信を見られたらいいなと思った。

N2Nがめちゃくちゃ好きなのはもちろん、So Closeはディズニーの男声ソロ曲で一番好きなので聴けて嬉しかったなー!

1幕は全体的にお芝居仕立てで、堀川絵美さんのコントが光りまくっていた。私はコンサート中の小芝居はいらない派、なんならMCも最小限でいいのでずっと歌を浴びていたい…と思ってしまう人なんだけど(すみません)ほぼ堀川さんが一人芝居で笑わせながら進めるので楽しかった。さすが芸人さん。というか芸人と思えないくらい歌もダンスも頑張っていらした…!

That's Life(フランクシナトラ)

I'm Alive(Next to Normal)

What a wonderful world

2幕はしっかりコンサート。山寺さんとのデュエット曲がI'm Aliveで叫び出しそうだった!!!Lightが出た時点でもうN2N曲はないと思っていたのにまさかの〜!しかもデュエットver〜!!今日来てよかったあああ。曲単体で聴いてもやっぱりめちゃくちゃ格好良くて大好きだな。はー早くまたN2N観たい。

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続いて海宝さんが新しいことにチャレンジするコーナー。

A列車で行こう

ジャズに挑戦ということでクルーのEmaさんとデュエット。Emaさんが「残酷な天使のテーゼをジャズで歌ってみて」という無茶振りに即興で応えていてすっごい格好良かった。

右から2番目の星

ディズニーメドレー

まだ見ぬ世界へ(実写リトマメ)

クルーたちによるディズニーメドレーがすごく良かった!マッシュアップが高度すぎてびっくり。実写リトマメは「アニメ版よりは出番あるけど貴重な海宝くんのディズニー吹き替え枠をエリック王子に使うのは勿体無くないですかー!?」と思っていたのですが、コンサートで聴くと声量と伸びが活かされていて普通に良い曲だったごめん。

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FinaleB(RENT)

ベートーベン・デー(きみはいい人、チャーリーブラウン)

December 1963(ジャージー・ボーイズ)

RENTのフィナーレでまたもボロ泣き。ううう、好きだよRENT…。そして「ベートーヴェンに出演していたんですよね」という話からのベートーベン・デーはめっちゃセンスいいなあ!(いやそりゃベートーヴェンにコンサートで歌える曲ないけど)クルーの皆さんのわちゃわちゃ感もぴったり。

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そしてアンコールはジャージー・ボーイズ!ですよね〜!!はあまた観たい。

 

他の航路やゲストのセトリを見ては「ああこの日も聴きたかった!」と思う毎日でした。特にアナスタシアは昨年一番ズブズブにハマっていたので3ディマの日も行くべきだったな…いやでも山寺さんを見られたのは一生の宝物だわ。MCで「大都会」を聴けたのもラッキー。

海宝くんはすごいなあ、ディズニープリンスだなあ。今後もいろんな役で観たい!楽しかったです!!

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エンタメもぐもぐ2024/1

1月に行ったイベント、読んだ本、見た映像作品など。

展示会

ヒグチユウコ台湾個展『奇幻動物森林 樋口裕子展』

運良く会期が台北滞在中と重なっていたため駆け込み。昨年六本木でやっていた展示会の初の海外展示だったのですが、比べ物にならないほど人が少なくて見やすかった…快適だった…。

どれもこれもとっても可愛い。作品も一部入れ替わっていたり展示方法も変わっていたり、とにかく見応えがありました。旅行中で夫娘と別行動させて貰っていたため駆け足で見たけどそれでも物販含めて2時間弱は滞在した。そう、物販がもんんんのすごくかわいくて、正直日本のグッズより好みのものが多くて散財してしまった。台湾のために描き下ろされたイラストが本当に可愛かったの。サイン入りの図録もゲットできて宝物になりました。

イベント

ありまよとアオヤギの給料日ラジオ23下半期よかったものSP

友人が主催するトークイベントに参加。共通の友人らとやいやい言いながら壇上の友人らの話を聞き、紹介される本を片っ端からブクログに登録していく3時間。

2人+ゲストの方々が読んだ本や見た映画の話をたくさん聞いて、今年読みたいもの見たいものリストが一気に増えた。エンタメを愛する人のエンタメ話、楽しいなあ。ゲストの方の「人に勧められたものは好きそうかどうかは別として全て読む・見るようにしている」という話に感銘を受けた。私もできる限り近しい友人からの直接のおすすめは読むようにしているけど、もっと広げていきたいな。

お茶会イベントに参加くださってる方も何人かいらしていて、ご挨拶できて嬉しかったです!

舞台・コンサート

1月は遠征もあって充実していた!

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映画

ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-

ウィッシュと同時上映のディズニー100周年記念短編作品をディズニープラスで鑑賞。い、いや〜〜これはディズニー映画で育った人間には泣けてしまう。ミッキーがウォルトを見上げる時にメリポピが流れるのに一番ぐっっときました。作品こえた動物キャラの交流もかわいい。私はディズニー映画をかなり見ていて、登場キャラクターもほぼ全員がどの作品の誰かわかったのだけど、逆に片手で数えるほどしか知らない娘もかじりついて見て、何度も見たがるのが印象的だった。

ほつれる

アマプラで鑑賞。不倫相手が死んでしまったことをきっかけに夫との関係や生き方と向き合うことになる女性の話。全体的に不穏で、いや〜な質感なリアルさがある。主に夫との会話などが…。冒頭、夫婦が微妙に上手くいっていない理由が夫がバツイチ子持ちであること・義母に好かれていなさそうなことが匂わされるんだけど、後半になって「いやその前提があるなら話は別ですよね!?」という事実が明かされるのが、小説でなく映画ならではという感じだった。門脇麦ちゃんの演技がとてもとても良かったです。

ドラマ

ブラッシュアップライフ

年末の一挙放送を見て1年越しに大ハマり。めちゃくちゃ面白かった!!!あらゆるところでもう語り尽くされていると思いますが…いやー全部が良かったなあ。特に後半、仲良し3人組は元は4人組だった…とわかってからの展開が。4人組はもちろん脇役まで役者が粒揃いで、黒木華ちゃんと野呂佳代さんの存在感よ。何度も見返したくなるドラマだ〜〜出会えてハッピー。こういう一生続く女たちの友情ドラマ、いっぱい見たい。

 

新シーズンなので1話をいろいろ見たよー。

光る君へ

久しぶりに大河ドラマを見ています。私は小学校高学年で「なんて素敵にジャパネスク」に、中学時代に「あさきゆめみし」に出会い平安モノに大ハマりしていた女。毎話「白泉社平安少女漫画じゃん!コバルト文庫じゃん!!」と大騒ぎして見ている。さすがNHK、お衣装や寝殿造のセットが豪華なのも眼福です。

光る君へ見てるけど源氏物語の詳細がわからなくて元ネタ拾えない…この機会に読んでみたいな…という方はみんなあさきゆめみしを読んでくれ!!

ついでにジャパネスクとざ・ちぇんじ!も読もう!?

不適切にもほどがある!

クドカン×阿部サダヲで今期の本命だったドラマ。蓋を開けてみると想像していなかったミュージカルパートに心を持っていかれています。いやだって1話から木下晴香ちゃん、2話はカッキーが歌い踊っているんだもん…ミュージカルオタク的に見逃せん。

ただストーリーの方は2話時点では「昭和の親父が令和を斬る世直しドラマ」になっていて、うーん…。令和のダメなところの本質ってそこじゃないし、昭和のポリコレのゆるさって、"現代だからNG"ってわけではなくそもそも笑って済ませちゃいけないやつも結構あるじゃん。「そうそう、令和って窮屈だよね。昭和はスレスレなこともあったけど人間力があったよなぁ〜」とおじさんが気持ちよくなるドラマになってしまうなら嫌だな。「ゆとりですがなにか」で世代間ギャップを嫌味なく上手く描いていたクドカンなので、もう一捻りあると信じて継続。

大奥

わたくしフジの大奥シリーズのファンで全て見ておりまして、今回も結構楽しみにしていたのですが…2話で脱落。別にリアリティを求めるドラマじゃないってわかってるんだけど、それにしても「えーーーそんなガバガバ設定でいいの?」と思ってしまうところが多すぎて楽しめなかった…。歴史的にどうとかいうより、「社会的身分のある人がそんな個人的な理由で小学生みたいな行動するかね!?」という人物設定のガバガバさに萎えてしまい。年末まで見ていたNHKのよしなが大奥ドラマはSF設定ながらそのへんの心象描写が見事だったので余計に。。なんかこのストーリーなら大奥じゃなくて社宅のママバトルドラマにしたらよくない?と思ってしまった。(ごめん)

婚活1000本ノック

ノーチェックだったのですが友人に勧められ、気楽に見られるので継続中。マッチングアプリなどで婚活を頑張りまくる女性の話(漫画やドラマ、エッセイ)ってもう食傷気味なのだけど、幽霊との同居というスパイスと主役の福田さん(3時のヒロイン)のコミカルな演技が結構よい。

漫画

ファミレス行こ。

カラオケ行こ!の映画見る前にファミレスも読んでおこう…と読んで情緒をめちゃくちゃにされた。なんなん。あのラストで続刊は3年後予定って新手の拷問なん。そして映画はまだ見られていない。

東大の三姉妹

周囲にいる東大卒の女たちを足して割ってうまい具合に漫画みをプラスしたキャラクターが3人。全員のセリフや思考回路に見覚えがあって、一理くんの目線で楽しく読みました。1巻は自己紹介のような感じだったので2巻以降に話が動いていくのが楽しみだな。毎話の扉絵が微笑ましくて好き。仲良い姉弟もの好きなんだよな。

じゃあ、あんたが作ってみろよ

昨年秋頃から谷口さんブームがきており新刊も。1話試し読みの時点ではこんな男どこがいいねんと思ったが、意外となんとかなるのかも…の塩梅の描写がさすが上手いです。

離婚しない男

ドラマ化することを知らずアプリのキャンペーンで1を最終話まで、2も最新話まで読了。男性向け漫画に疎いけど、たしかにシングルファザー物はあるけど離婚に向けて動く男性の話って読んだことないかも!と新鮮だった。逆に女性がモラ夫と別れたり親権取るために不倫証拠集めたりする話ってめちゃくちゃ王道なので、時代が変わってきたんだな〜としみじみした。

 

1月は旅行&遠征がありリアルのイベントが充実していて読書が少なめ。気になるものはたくさんあるので読み進めたい。隙間時間に電子書籍読むようにしたいな〜と思ってSNSアプリを隠しkindleやdマガジンアプリをホーム画面の前面に持ってきてみたら、単純だけd地味に効く。

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